足がつる原因は?つったときの対処法や予防法を解説
急に体を動かした際や就寝中に、足がつったことのある方は多いでしょう。足のつりは、こむら返りとも呼ばれ、痛みを伴うのが一般的です。足がつる原因は、筋肉の疲労や足の筋力・柔軟性の低下だけでなく、水分・栄養の不足、冷えなど多岐にわたります。
足がつらないためには、服薬やストレッチの他、運動の習慣化や着圧靴下の着用などの方法を実践することが大切です。また、水分補給やマグネシウムをはじめとするミネラルの摂取も、足がつるのを予防するための手助けになるでしょう。
本記事では足がつる原因とつったときの対処法、予防方法や必要な栄養素などを解説します。
<もくじ> |
足のつりが気になる方におすすめの商品
足がつる原因とは?
足がつるのは足の筋肉がけいれん(自分の意識とは無関係に足の筋肉に力が入り、発作的に収縮を繰り返す症状)を起こしているためです。医学的には「有痛性筋けいれん」、一般的には「こむら返り」とも呼ばれます。
足がつる原因は主に次の7つです。
1. 筋肉が疲労している
2. 足の筋力・柔軟性が衰えている
3. 足の関節に痛みがある
4. 水分・栄養が足りていない
5. 冷えている
6. 服薬している
7. 持病がある
原因①筋肉が疲労している
筋肉が疲労していると、足がつる可能性があります。サッカーやマラソンのように高負荷かつ長時間にわたる運動を行い、筋肉に強い負荷が掛かり続けた場合がその例です。
ただし、筋肉の疲労によって足がつってしまうのは激しく動き回るような運動をしたときだけではありません。例えば、いつもより長い距離を歩いたり軽い運動を行ったり、長時間の立ち仕事をしただけで足がつってしまうこともあります。また、眠っている間に足がつることもあり、日中も痛みが継続したり肉離れを起こしたりする可能性も考えられます。
原因②足の筋力・柔軟性が衰えている
足の筋力や柔軟性の衰えも足がつる原因の一つです。加齢や運動不足によって筋力が低下すると筋肉を長時間使い続ける筋持久力も低下するため、すぐに筋肉が疲労して足がつりやすくなります。また、足の柔軟性が衰えている状態は筋肉が過度に緊張しやすく、足のつりにつながる可能性があります。
原因③足の関節に痛みがある
足の関節の痛みは筋肉に負荷を掛ける原因です。足の関節の痛みによって周辺の筋肉に過剰な負荷が掛かると、足がつりやすくなるためです。例えば、ひざが変形してしまう変形性ひざ関節症の場合、ふくらはぎや太ももといった部位の筋肉がつりやすくなる可能性があります。
原因④水分・栄養が足りていない
足がつる原因として挙げられるのが、水分や栄養の不足です。強い運動や熱中症などによって水分不足になってしまうと、筋肉や神経の動きを調整するミネラルのバランスが崩れてしまいます。
ミネラルとは、体を構成する酸素、炭素、水素、窒素といった4つの元素以外の栄養(無機質)の総称です。ミネラルは、ナトリウムやカリウム、マグネシウムなどの多量ミネラルと、鉄や亜鉛、マンガンなどの微量ミネラルに分類されます(※1)。これらミネラルのバランスが崩れてしまうと、筋肉の収縮や神経伝達がスムーズに行えなくなり、足がつりやすい状態に陥ります。
また、ミネラルバランスが崩れる原因は水分不足だけではありません。マグネシウムをはじめとするミネラルそのものが不足することでも、ミネラルバランスが崩れる可能性があります。
(※1)参考:厚生労働省「ミネラル(みねらる)」(入手日付2024-05-17)
原因⑤冷えている
冷えも足がつる原因です。冷えによって血行不良に陥ってしまうと、ミネラルやエネルギーが筋肉に十分に届かなくなるため、筋肉の機能が低下し、足がつる可能性があります。また、冷えによって筋肉が緊張することでも足のつりが起きかねません。冬場や冷房の冷たい空気は下にたまるため、足が冷えやすくなってしまいます。
原因⑥服薬している
薬の副作用も足がつる原因の一つです。副作用で足のつりが発生する可能性がある薬は次の通りです。
- 血圧を下げる薬:利尿薬、カルシウム拮抗薬など
- コレステロールを抑える薬:スタチン系の薬など
薬の副作用で足がつってしまう場合、服用を止めることで抑えられる可能性があります。しかし、薬の影響だけでなく冷えなど、他の原因で足がつっていることも考えられます。そのため、自分の判断で服用を止めるのではなく主治医に相談しましょう。
原因⑦持病がある
持病を抱えていることで足がつってしまうこともあります。例えば足のつりが発生する可能性がある病気は次の通りです。
病名 | 特徴 |
糖尿病 | 高血糖によるミネラルの乱れや脱水などによって発生する |
腎不全 | 人工透析をしていると発生する傾向にある |
慢性閉塞性肺疾患 | 低酸素状態になりやすいために発生する |
甲状腺機能異常 | 血液循環の悪化と筋力の低下によって発生する |
椎間板ヘルニア・脊椎管狭窄症 | 脊髄の神経を圧迫することで発生する |
筋肉の疲労や冷えなど、足がつってしまう他の原因が思い当たらない場合は持病の可能性があるため、病院を受診しましょう。
アスザックフーズスタッフから一言

様々な理由で体のつりは発生します。
理由の一つである、栄養面は日々の食事改善が大切です。
わかっていても忙しい毎日で気を使った食事を用意するのは大変ですよね。
そんなときは野菜が摂れるスープ・味噌汁をいつもの食卓にプラスすることから始めてみませんか?
足がつったときの対処法
足がつったときの対処法はどこに症状が現れているかで異なります。ここでは次の3つの部位がつった場合の応急処置をそれぞれ解説します。
- ふくらはぎの場合
- 太もも裏の場合
- その他の部位の場合
どの部位に対処する際であっても力を入れずに行いましょう。また、応急処置として対処した後ははった部位を温めて血行を促進させることが大切です。他にもストレッチや水分の補給も欠かせません。
ふくらはぎの場合
ふくらはぎがつってしまった場合、つま先を天井に向け、かかとが床に対して直角になるようにして、ひざの裏が床につくようにゆっくりと足を伸ばしていきましょう。足の指に手が届くなら、つま先をつまんでひざを伸ばします。もしくは、壁の近くであれば足の裏を壁に押し当てます。こうすることでふくらはぎの筋肉を伸ばせるため、痛みが落ち着くまでゆっくり続けましょう。
太もも裏の場合
太もも裏はハムストリングとも呼ばれ、つりやすい部位です。太もも裏がつってしまった場合は、座った状態と立った状態で対処法が次のように異なります。
- 座った状態:足を伸ばして手で足首を持つ
- 立った状態:つっている足を後ろに引き、手で足首を持つ
座った状態で足首に手が届かない場合は、つった足の土踏まず辺りにタオルを掛けて引っ張ることも効果的です。
その他の部位の場合
ふくらはぎ、太もも以外の場所がつってしまうこともあります。その他の部位の場合、つった部位の筋肉を反対に伸ばすことで対処可能です。例えば手の指がつってしまったのであれば、つった腕を伸ばして手の平を上に向けましょう。その後、反対の手で小指と薬指を持ってゆっくりと下に伸ばします。さらに親指をゆっくりと下に伸ばすことで対処できます。
足がつらないための予防方法
足がつらないようにするためには次のような予防方法を実践してみましょう。
1. 薬を飲む
2. ストレッチをする
3. 運動習慣を付ける
4. 着圧靴下をはく
5. 水分補給を欠かさない
方法①薬を飲む
足がつるのを予防する方法の一つが薬の服用です。例えば、マラリアの治療薬として知られるキニーネは足のつりの薬としても知られています。ただ、キニーネは筋肉がけいれんするのを防止する効果が期待されているものの、血尿や黄疸、発熱などの副作用のリスクが懸念されています。
そのため、国内では漢方薬である芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が用いられるのが一般的です。芍薬甘草湯を服用するタイミングは主に食前ですが、即効性も認められており急激な痛みに対する服用も有効です(※2)。
ただし、芍薬甘草湯にも副作用があるため注意しましょう。芍薬甘草湯は人によって次のような副作用が引き起こされる可能性があります。
起こり得る副作用 | 症状 |
肝機能障害 | 発熱、かゆみ、黄疸など |
間質性肺炎 | 階段を昇るなど無理をした際の息切れ、発熱など |
うっ血性心不全、心室頻拍 | 動悸や息切れ、胸部の不快感など |
偽アルドステロン症、ミオパチー | 手足のだるさ、しびれ、脱力感など |
また足のつりの予防が期待できる漢方薬は、芍薬甘草湯だけではありません。血行を改善する四物湯や冷えを解消する疎経活血湯も、足のつり予防として期待できる漢方薬です。
(※2)参考:石田 和之(海老名総合病院附属海老名メディカルサポートセンター内科)「神経内科に役立つ漢方薬:症例と頻用処方」P2(入手日付2024-05-17)
方法②ストレッチをする
足のつりの予防にはストレッチも効果的です。例えば寝る前や運動の前後にふくらはぎや太ももを伸ばしてみましょう。例えば次のようなストレッチを就寝前に取り入れるのがおすすめです。
- 少しひざを曲げて座ってつま先を指でつまむ
- ひざを伸ばして手が届くところまで伸ばす
ももの裏が伸びるイメージを持って、繰り返し取り組んでみましょう。
方法③運動習慣を付ける
運動習慣がなく筋持久力が低下していると足がつりやすくなります。運動を習慣付けて筋持久力の向上につなげましょう。ただし過度な運動をすると、かえって足がつる可能性があるため注意が必要です。自分の状況に応じた運動量を心掛けることが大切です。例えば、すぐ足がつってしまうという人は、まずはウォーキングのように簡単な運動から始めてみましょう。
方法④着圧靴下をはく
着圧靴下をはくことも、足がつらないための予防方法として効果が期待できます。足がつる原因の一つは血行不良です。着圧靴下は血行促進が期待できるため、足のつり予防につながります。着圧靴下の中には足のつり予防を目的としたタイプの製品もあります。
方法⑤水分補給を欠かさない
水分が失われると足がつりやすくなるため、予防には水分補給も欠かせません。足がつるのを予防する際は水だけでなくスポーツドリンクでの水分補給もおすすめです。スポーツドリンクであればミネラルも摂取できます。なお、人間は、仕事中や運動中など普段起きている間だけでなく、睡眠中も発汗するため、寝る前の水分補給も忘れないようにしましょう。
ただし、水分補給で注意すべきなのが飲み過ぎです。特に冷たい水やスポーツドリンクを飲み過ぎると、体が冷えてかえって足のつりにつながりかねません。そのため、水分補給をする際は常温か温かいものをゆっくりと飲むとよいでしょう。
足のつりを予防する栄養素
足のつりを予防する栄養素は次の通りです。
- マグネシウム
- カルシウム
- カリウム
- クエン酸
栄養素①マグネシウム
マグネシウムは骨の強化や成長、維持の役目を担っているミネラルです。成人の場合、体内には約20~30グラム のマグネシウムが存在しています(※3)。マグネシウムが不足してしまうと筋肉のけいれんや不整脈、高血圧などにもつながる可能性があります。
筋肉をリラックスさせて足のつり防止につながるマグネシウムを豊富に含む食べ物は次の通りです(※4)。
食べ物 | 100グラム当たりの含有量(ミリグラム) |
あおさ | 3,200 |
あおのり | 1,400 |
てんぐさ | 1,100 |
わかめ | 1,000 |
マグネシウムは、あおさをはじめとした藻類に豊富に含まれています。
(※3)参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」(入手日付2024-05-16)
(※4)参考:文部科学省 食品成分データベース「マグネシウム」(入手日付2024-05-16)
栄養素②カルシウム
骨や歯の形成に欠かせないことで知られるカルシウムは、神経活動においても重要な役割を担っているミネラルです。カルシウムを摂取することで、刺激に対する神経伝達をコントロールでき、足のつりを抑えられます。
カルシウムは次のような食べ物に豊富に含まれています(※5)。
食べ物 | 100グラム当たりの含有量(ミリグラム) |
干しえび | 7,100 |
とびうお | 3,200 |
かたくちいわし | 2,500 |
さくらえび | 2,000 |
カルシウムは多くの人に欠かせない栄養素ですが、特に閉経後の女性は不足しがちなので積極的に摂取していきましょう。
(※5)参考:文部科学省 食品成分データベース.「カルシウム」(入手日付2024-05-16)
栄養素③カリウム
カリウムは浸透圧の調整などを担っている栄養素で、成人であれば体内に約120~200 グラム含まれているとされています(※6)。カリウムは筋肉や神経のバランスを整え、疲労を回復させる効果も期待できます。
カリウムを豊富に含んだ食べ物は次の通りです(※7)。
食べ物 | 100グラム当たりの含有量(ミリグラム) |
ずいき | 10,000 |
刻み昆布 | 8,200 |
乾燥わかめ | 7,400 |
ほしひじき | 6,400 |
(※6)参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」(入手日付2024-05-16)
(※7)参考:文部科学省 食品成分データベース「カリウム」(入手日付2024-05-16)
栄養素④クエン酸
クエン酸は疲労物質の分解をサポートする栄養素で、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルの吸収をしやすくします。その結果、疲労物質の分解につながります。
クエン酸を豊富に含む食べ物は次の通りです(※8)。
食べ物 | 100グラム当たりの含有量(グラム) |
レモン果汁 | 6.5 |
梅干し | 3.4 |
ドライトマト | 3.2 |
ドライマンゴー | 2.3 |
クエン酸はレモン果汁をはじめとして、酸味のある食べ物に豊富に含まれています。クエン酸は一度にまとめて摂取するのではなく、小まめに毎日摂取するのが効果的です。
(※8)参考:文部科学省 食品成分データベース「クエン酸」(入手日付2024-05-16)
足がつる原因を把握して対策を施そう
足がつる原因は筋肉の疲労や足の筋力・柔軟性の衰え、水分・栄養不足などです。足がつってしまった場合はストレッチや水分補給を行い、患部を温めることを心掛けましょう。
なお、足のつりは運動を習慣付ける、着圧靴下をはくなど、日頃の生活で予防が可能です。また、マグネシウムやカルシウムなど足のつりを予防する栄養素の摂取も大切です。
アスザックフーズでは忙しい日であっても必要な栄養を摂取しやすい乾燥食材やスープ、味噌汁などを取りそろえています。不足しがちな栄養素を手軽に摂取したい方はぜひお試しください。
フリーズドライ専門
通販ページを見に行く
アスザックフーズの人気商品

アスザックフーズWEBチームスタッフです。皆さんの生活がより良いものになるような記事をお送りします!
記事一覧はこちら