キャベツにはどんな栄養素がある? むだなく食べる方法やキャベツの選び方も紹介!
キャベツはサラダから炒め料理、スープ、煮込み料理までさまざまな料理に使われるポピュラーな野菜です。キャベツに含まれる豊富な栄養をしっかり取るには、どのような食べ方をすれば良いのでしょうか。
本記事では、キャベツの特徴や、含まれている栄養素、キャベツの栄養素をむだなく取れるおすすめの食べ方などをご紹介します。どの季節でもスーパーで手に入る定番野菜でありながら栄養価が高いキャベツは、日頃から積極的に食卓に取り入れたい食材の一つです。本記事を参考にしてキャベツの栄養をたっぷり取りましょう。
<もくじ>
●キャベツには種類がある? 特徴やおすすめの調理方法 ●まとめ |
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キャベツには種類がある? 特徴やおすすめの調理方法
キャベツはアブラナ科アブラナ属の野菜で、日本名は甘藍(かんらん)です。
原産地はヨーロッパの地中海沿岸や大西洋沿岸で、ケールにルーツを持っています。キャベツの仲間であるブロッコリー、カリフラワーも、ケールをルーツとする野菜です。
日本にキャベツが入ってきたのは江戸時代で、オランダ人によって伝えられたとされています。江戸時代末期に栽培が始まり、明治時代になると野菜として本格的に食べられるようになりました。大正時代に入るとキャベツが食材として広く使われるようになり、今では食卓に欠かせない野菜となっています。
キャベツは一年を通してスーパーに並んでいる野菜ですが、栽培地や時期によって種類が異なります。
春に流通する春キャベツは春玉とも呼ばれ、神奈川県・千葉県・愛知県などが代表的な産地で、柔らかく葉がみずみずしいのが特徴です。巻きが比較的ゆるく、サラダなど生食にも適しています。浅漬けなど漬物にして食べるのもおすすめです。
冬に流通する冬キャベツは寒玉とも呼ばれ、群馬県・愛知県・茨城県が代表的な産地で、巻きがきつく葉がしっかりとしています。煮崩れしづらいのでスープやポトフなどの煮込み料理、野菜炒めなどの炒め物に適しているのが特徴です。
その他にもキャベツにはさまざまな種類があります。種類別の特徴とおすすめの調理法は以下の通りです。
種類 | 産地 | 特徴 | おすすめの調理法 |
越冬キャベツ | 北海道 | ● 雪の下で熟成される ● 甘みが強い |
生・煮込み |
サボイキャベツ | 茨城県・愛知県 | ● 葉がちりめん状に縮れている ● 日持ちしやすい |
煮込み |
スイートキャベツ | 愛知県・静岡県 | ● 糖度が高い ● ビタミンCを豊富に含む |
生 |
グリーンボール | 愛知県・静岡県 | ● 緑が濃く、春キャベツに近い柔らかさがある ● 一般的なキャベツよりも小ぶりで、丸い |
生・炒め・煮込み |
芽キャベツ | 静岡県 | ● キャベツのわき目が球状になったもの ● ビタミンCが豊富 ● 一般的なキャベツよりも濃厚な味わい ● 苦味がある場合は下ゆですると良い |
炒め・煮込み |
プチヴェール | 静岡県 | ● 球状にならないキャベツ ● ケールとキャベツの掛け合わせ ●栄養が豊富 |
ゆで・炒め |
赤キャベツ(紫キャベツ) | 愛知県 | ● 葉が赤い ● 栄養価が高い ● アントシアニンが豊富 |
生・酢漬け |
キャベツに含まれる栄養素は?
キャベツには食物繊維をはじめとしたさまざまな栄養素が含まれています。キャベツに含まれている主な栄養素と期待できる効果を見ていきましょう。
栄養素①食物繊維
食物繊維は消化酵素で消化できない物質です。生のキャベツ100gには1.8gの食物繊維が含まれています(※1)。
小腸で消化されることなく大腸まで届き、水分を吸収して膨らむため、便がかさ増しされスムーズな排便を促してくれます。食物繊維が膨らむことで満腹感が得やすくなるので、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できるでしょう。腸内で脂質や塩分、糖分などを吸い取って排出する働きも持つため、生活習慣病や肥満の予防にも効果が期待できる栄養素です。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、食物繊維の一日の摂取目標量を18〜64歳の男性で21g以上、女性で18g以上と示しています(※2)。
(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-13)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-13)
栄養素②ビタミンC
ビタミンCは水溶性ビタミンの一種です。生のキャベツ100gには38mgのビタミンCが含まれています(※3)。
ビタミンCはコラーゲンの合成に必要不可欠で、皮膚や粘膜の健康を維持する働きを持っている栄養素です。抗酸化作用があるので、体や肌の老化を防ぐ効果が期待できます。またメラニン色素の生成を抑える効果があるため、シミ予防にも効果が期待できるでしょう。
ビタミンCは人間の体内で合成できず、蓄積もできない栄養素なので、小まめに摂取しなければなりません。ビタミンCが不足すると肌が乾燥しやすくなる他、気力の低下や倦怠感などの症状が出ることがあります。
日本人の食事摂取基準(2020年版)で示される、18歳以上の男女のビタミンCの一日の摂取推奨量は100mgです(※4)。
(※3)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-13)
(※4)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-13)
栄養素③ビタミンK
ビタミンKは水に溶けにくい脂溶性ビタミンの一種です。生のキャベツ100gには79μgのビタミンKが含まれています(※5)。
血液を凝固させる作用を持つ物質が作られる際に、補酵素として働く栄養素です。カルシウムが骨に吸着するのを促進し、流出を防止する効果もあるので、骨を強化する効果も期待できます。また動脈が石灰化するのを防ぐ効果を持つため、動脈硬化予防にも効果が期待できるでしょう。
通常の食事をしていればビタミンKが不足することはほとんどありませんが、骨の健康を維持するために意識して取りたい栄養素です。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、18歳以上の男女の一日のビタミンK摂取目標量を150μgとしています(※6)。
(※5)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-13)
(※6)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-13)
栄養素④キャベジン(ビタミンU)
キャベジンはビタミンUとも呼ばれる水溶性ビタミンの一種です。キャベツから発見された栄養素なので、この名前が付けられました。キャベツ以外にはレタスやトマト、セロリなどに含まれています。
胃腸の粘膜を保護して健康を維持する働きがあり、免疫力向上効果や肌荒れ予防効果が期待できる栄養素です。胃のむかつきや消化不良の症状を改善する作用があることでも知られており、キャベジンを配合した胃腸薬もあります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍を改善・予防する効果が期待できるのも特徴です。
栄養素⑤カリウム
カリウムはミネラルの一種です。生のキャベツ100gには190mgのカリウムが含まれています(※7)。
塩分に含まれるナトリウムを排出する働きを持つため、塩分を多く取る方は特に意識して摂取したい栄養素です。ナトリウムとともに体の浸透圧を調整する働きも持っています。カリウムには細胞・神経・筋肉の正常な働きをサポートする作用もあり、不足すると脱力感や食欲不振、精神障害、不整脈などの症状が現れることがあるので、積極的に摂取しましょう。
日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、カリウムの1日の摂取目標量は18歳以上の男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上となっています(※8)。
(※7)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-13)
(※8)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-13)
栄養素⑥カルシウム
カルシウムもミネラルの一種です。生のキャベツ100gには42mgのカルシウムが含まれています(※9)。
骨や歯の形成に欠かせない栄養素です。成人の体内には1kg程度のカルシウムが含まれているといわれており、不足すると骨の成長や健康に影響して、骨粗しょう症になるリスクも高くなります。血液凝固や筋肉の収縮にも関係している他、神経の働きにも影響を与える栄養素なので、不足するとイライラしやすくなってしまうでしょう。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、カルシウムの1日当たりの摂取推奨量が以下のように示されています(※10)。
男性 | 女性 | |
18〜29歳 | 800mg | 650mg |
30〜74歳 | 750mg | 650mg |
75歳以上 | 700mg | 600mg |
(※9)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-13)
(※10)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-13)
栄養素⑦マグネシウム
マグネシウムもミネラルの一種です。生のキャベツ100gには14mgのマグネシウムが含まれています(※11)。
マグネシウムは体内に存在する300種類以上の酵素の働きを活発にする効果を持つ補酵素です(※12)。また筋肉の収縮や神経伝達、体温や血圧の調整にも関わっています。ホルモンの分泌を促進する作用も持つため、ホルモンバランスを維持するためにマグネシウムが欠かせません。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日のマグネシウムの摂取推奨量が以下のように示されています(※13)。
男性 | 女性 | |
18〜29歳 | 340mg | 270mg |
30〜64歳 | 370mg | 290mg |
65〜74歳 | 350mg | 280mg |
75歳以上 | 320mg | 260mg |
(※11)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-13)
(※12)参考:e-ヘルスネット.「マグネシウム」(入手日付2024-09-13)
(※13)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-13)
栄養素⑧葉酸
葉酸はビタミンB群の一種である水溶性ビタミンです。生のキャベツ100gには66μgの葉酸が含まれています(※14)。
赤血球を作るのに欠かせない栄養素で、葉酸が不足すると貧血になりやすくなります。
また細胞内にある核酸を合成するために必要不可欠なので、葉酸が不足すると細胞分裂や分化にも影響してしまうといわれています。葉酸を積極的に摂取することで胎児の神経管閉鎖障害のリスクが軽減できるといわれているため、妊娠を計画している方や妊娠中の方は特に意識して葉酸を摂取しましょう。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、18歳以降の男女の一日の葉酸摂取推奨量を240μgとしています(※15)。妊娠を計画している女性や妊娠中の女性の一日の摂取推奨量は、400µgです(※15)。通常の食事で過剰摂取することは基本的にありませんが、サプリメントで摂取すると過剰摂取になる可能性があるので注意しましょう。サプリメントで摂取する場合の耐容上限量は5mg/日です(※15)。
(※14)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-13)
(※15)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-13)
キャベツの栄養素をむだなく取れるおすすめの食べ方
キャベツに含まれる栄養素をしっかりと摂取するには、食べ方を工夫することも大切です。キャベツの栄養をむだなく取れる食べ方を4つご紹介します。
方法①サラダにして生のまま食べる
キャベツの栄養素をむだなく取るには、サラダにして生のまま食べましょう。
キャベツに含まれる栄養素のうち、ビタミンCやキャベジン、葉酸は水に溶けやすく熱に弱い性質を持っています。またカリウムも水に溶けやすい性質を持っているため、加熱調理すると栄養が損なわれてしまいやすいです。
サラダのまま生にして食べれば、栄養を余すことなく摂取できます。切り方や味付けを工夫して、生のまま和物として食べてみるのも良いでしょう。
方法②スープにして汁ごと食べる
スープにして汁ごと食べるのも、キャベツのおすすめの食べ方です。
前述した通り、ビタミンCやキャベジン、葉酸、カリウムは水に溶けやすい性質がありますが、汁ごと食べればスープに流れ出たこれらの栄養をしっかりと摂取できます。
スープにすればかさが減るので、生のままではそれほど量を食べられないという方でも、たくさんキャベツを食べられるでしょう。消化も良くなるため、胃腸が疲れている方にもおすすめです。
方法③油と一緒に食べる
油と一緒に食べるのも、キャベツの栄養素をむだなく取る方法の一つです。
キャベツに含まれるビタミンKは、脂溶性ビタミンで油に溶けやすく熱に強い性質を持っています。またキャベツの外葉には抗酸化作用を持つカロテンが豊富に含まれていますが、カロテンも油に溶けやすい性質を持つ栄養素です。
生のままサラダや和物で食べる際は、オリーブオイルやアマニ油など良質な油を使ったドレッシングで食べると、ビタミンKやカロテンをしっかり取れます。炒め物など油を使って加熱調理をしても構いませんが、加熱すると熱に弱いビタミンCやキャベジン、葉酸は熱が損なわれてしまうため、短い時間で調理することがポイントです。
方法④外葉や茎も丸ごと食べる
キャベツの栄養をたっぷり取るには、外葉や茎も丸ごと食べましょう。
キャベツを使って料理を作る際、硬そうな外葉や芯は捨ててしまう方も多いのではないでしょうか。しかし外葉や芯にはビタミンCやマグネシウムが豊富に含まれています。また外葉はカルシウムやカロテンの含有量が多く、芯はカリウムの含有量が多いです。
キャベツの外葉や茎をおいしく食べるには、薄切りにしたり煮込み料理にしたりするのがおすすめです。前述した通り加熱すると損なわれてしまう栄養素もありますが、スープやポトフなど煮汁ごと味わえる料理にすれば、栄養をむだにせずに食べられるでしょう。
栄養素が豊富なキャベツの選び方
栄養豊富なキャベツを選ぶためには、どのようなポイントを押さえておけば良いのでしょうか。栄養素が豊富なキャベツの選び方をご紹介します。
選び方①重さを確認する
栄養素が豊富なキャベツを選ぶためには、まず重さを確認しましょう。
春キャベツの場合は、巻きがゆるく軽いものを選びます。重い春キャベツは成長し過ぎており、本来の柔らかさが損なわれている可能性が高いです。
逆に冬キャベツの場合、巻きがしっかりしてずっしりとした重みのあるものを選びましょう。重みのある冬キャベツは糖度も高いとされています。
選び方②外葉を確認する
栄養をたっぷり含んだキャベツを選ぶには、外葉も確認しましょう。
外葉のみずみずしさや色の濃さは、鮮度が鮮やかなキャベツを見分けるポイントです。キャベツは鮮度が落ちてくると外葉から傷んできます。外葉が黒いものやしなびているものは鮮度が落ちているため、避けましょう。
ただし見栄えを良くするために、傷んだ外葉を取って店頭に並べているケースもあるようです。外葉を取ったキャベツは一見きれいに見えますが、鮮度の高いものを選ぶために外葉が付いているキャベツを選ぶようにしてください。
選び方③芯の切り口を確認する
キャベツを選ぶ際は、芯の切り口を確認することも大切です。
春キャベツの場合、芯の切り口が小さいものを選ぶと良いといわれています。冬キャベツの場合は、芯が500円玉くらいの大きさのものを選びましょう。芯が大き過ぎると中の芯も大きく、葉の部分が少ないということなので、一つの目安にしてみてください。芯の切り口を見るときは、5本の筋もチェックしましょう。筋が均等に入っているキャベツの方が、そうでないキャベツよりも栄養の偏りが少ないといわれています。
また新鮮なものを選ぶには、芯の切り口が明るい緑色で、湿っているかも確認しましょう。キャベツは芯から傷むといわれているため、芯が茶色く変色していて乾燥しているキャベツは、鮮度が落ちている可能性があります。
選び方④カットされている場合は切り口を確認する
カットされているキャベツを買う場合は、切り口を確認してみてください。
カットされているキャベツは外葉が捨てられている状態なので、断面を見て葉のみずみずしさや色の鮮やかさをチェックしましょう。カットして時間がたつとキャベツが光合成して緑色になるため、キャベツの内部の断面が淡い黄色のものが新鮮だとされています。
カットされているキャベツの場合も、芯の切り口が乾燥しておらず、茶色く変色していないかどうかをチェックすることもポイントです。芯が長過ぎると葉の部分が少なくなるので、芯が短いものを選ぶと良いでしょう。
冬キャベツの場合は、葉がたくさん詰まっているかどうかもチェックしてみてください。
まとめ
本記事ではキャベツの特徴や含まれている栄養素、キャベツの栄養素をむだなく取れるおすすめの食べ方、栄養価の高いキャベツの選び方などをご紹介しました。キャベツには水に溶けやすく熱に弱い栄養素も多く含まれているので、たっぷり栄養を取るには生のまま食べるのがおすすめです。加熱する際はスープにして汁ごと飲んだり、調理時間を長くし過ぎないように工夫したりして、しっかり栄養が取れるようにしましょう。
キャベツの栄養素を効果的に取り入れるには、フリーズドライのスープや乾燥キャベツを常備するのもおすすめです。フリーズドライのキャベツは過度な熱を加えず加工しているため、熱の影響で損なわれる栄養が少ないとされています。
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