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野菜・ダイコン

サラダや煮物に使ったり、すりおろして焼き魚の横に添えたりする大根は、和食はもちろんさまざまな料理に活用できる食材です。普段何気なく食べている大根ですが、実は豊富な栄養素を含んでいることはご存知でしょうか。

本記事では、大根の特徴、大根に含まれている15種類の栄養素と期待できる効果、大根の栄養素を効果的に取る食べ方などをご紹介します。本記事を参考にして、効率良く大根の栄養素を取り入れましょう。

<もくじ>

大根の特徴

大根に含まれている15の栄養素

栄養素①食物繊維

栄養素②消化酵素

栄養素③ビタミンB1

栄養素④ビタミンB2

栄養素⑤ビタミンB6

栄養素⑥ビタミンC

栄養素⑦ナイアシン

栄養素⑧葉酸

栄養素⑨パントテン酸

栄養素⑩カリウム

栄養素⑪カルシウム

栄養素⑫マグネシウム

栄養素⑬亜鉛

栄養素⑭鉄

栄養素⑮銅

大根の葉には どんな 栄養素がある?

葉の栄養素①βカロテン

葉の栄養素②ビタミンC

葉の栄養素③カリウム

大根の栄養素を効果的に取る食べ方

食べ方①【栄養を余すことなく取りたい】すりおろして生で食べる

食べ方②【無理なく取り入れたい】火を通して食べる

食べ方③【いつも食べきれない】切り干し大根を食べる

食べ方④【いつもと変わった食べ方をしたい】大根の葉を炒めて食べる

栄養価の高い大根を選ぶポイント

ポイント①表面が傷んでいないか

ポイント②葉が新鮮そうか

ポイント③断面にすが入っていないか

まとめ

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大根の特徴

大根

大根はアブラナ科ダイコン類の野菜です。

原産地は地中海沿岸から中央アジアとされており、古代エジプトでピラミッドが建築されていた際には、すでに大根は食べられていたとされています。中国南部から日本に入ってきたのは8世紀頃とされていますが、栽培が盛んになったのは江戸時代といわれています(※1)。

当時から漬物や切り干し大根にして保存食として食べていたことが分かっており、飢餓対策として栽培が推奨されていたようです。春の七草のすずしろは大根のことで、古くから日本人の食卓で親しまれてきました。

一般的に流通している大根は、青首大根と呼ばれる種類です。青首大根はもともと西日本で主流となっていた大根で、東日本では1970年代まで青首大根よりも大きな白首大根が主流でした(※2)。しかし1979年に起きた台風20号によって白首大根の一種である「三浦大根」の産地が大きな被害を受けた際、比較的短期間で栽培できる青首大根がまき直されました。大きさのバラつきが少ない青首大根は値付けが統一しやすかったこともあり、それ以降全国的に青首大根が主流となっています。

青首大根は葉に近い部分の辛みが少なく、根に向かって辛みが強くなるのが特徴です。そのため葉に近い部分は生食、中央は煮物に適しているといわれています。スーパーでは葉を切って売られていることが多いですが、葉の部分も栄養が豊富です。

大根は出荷される時期によって春大根・夏大根・秋冬大根に分類され、春大根や夏大根は神奈川県・千葉県・徳島県などで盛んに栽培されています。秋冬大根は北海道や青森県を中心に栽培が盛んです。

年間を通して出荷されていますが、大根の旬は秋から冬にかけてです。旬の大根は甘みが強く、みずみずしい一方で、春から夏の大根は食感がしっかりとしており、辛みが強い傾向にあります。季節ごとに異なる大根の味わいを意識してみると、さらに豊かな食事が楽しめるでしょう。

(※1)参考:独立行政法人農畜産業振興機構「だいこん」(入手日付2024-09-10)
(※2)参考:JAあつぎ「ダイコン(アブラナ科ダイコン属)」(入手日付2024-09-10)

大根に含まれている15の栄養素

数字の15

大根にはさまざまな栄養素が豊富に含まれています。

大根に含まれる主な栄養素とその特徴、期待できる効果を見ていきましょう。

栄養素①食物繊維

食物繊維とは、体内の消化酵素で消化できない物質のことです。皮付きの生の大根100gには、1.4gの食物繊維が含まれています(※1)。

小腸で消化されることなく大腸まで届き、便通を整える作用を持ちます。また脂質・糖・ナトリウムを吸い取り、体外への排出を促す働きも持っているため、食物繊維をしっかり取れば脂質異常症(高脂血症)・糖尿病・高血圧といった生活習慣病や肥満の予防・改善に効果が期待できるでしょう。

食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維があります。どちらもバランス良く摂取することが大切ですが、大根はどちらの食物繊維も含んでいるのが特徴です。

日本人の食物繊維の摂取量は年々減少しているとされているため、大根などの食品からしっかりと摂取しましょう。日本人の食事摂取基準(2020年版)では、食物繊維の一日の摂取目標量を18〜64歳の男性で21g以上、女性で18g以上としています(※2)。

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-10)

栄養素②消化酵素

消化酵素とは食べ物を分解し、吸収しやすくする酵素のことです。大根には、以下のような消化酵素が含まれています。

  • ジアスターゼ(アミラーゼ)
  • プロテアーゼ
  • リパーゼ

ジアスターゼ(アミラーゼ)は、でんぷんを糖に分解する働きを持つ消化酵素です。胃もたれや胸焼けを防ぎ、二日酔いを改善する効果も期待できます。胃腸薬の中にもジアスターゼを配合しているものがあり、活発な胃腸の働きを促します。

プロテアーゼはタンパク質を分解する働きを持つ消化酵素です。下ごしらえとして大根おろしに肉や魚を漬けておくと肉質が柔らかくなりますが、これはプロテアーゼの持つタンパク質分解作用によるものです。

リパーゼは脂肪を分解する働きを持ちます。脂肪は他の栄養素と比べて胃の中に長くとどまる性質があり、胃もたれや胸焼けの原因になりやすいです。脂っこいものを食べるときに大根を一緒に食べると脂肪の分解が促進されるので、胃もたれや胸焼けを防ぐ効果が期待できます。

栄養素③ビタミンB1

ビタミンB1は、糖質や乳酸の代謝に必要不可欠な栄養素です。皮付きの生の大根100gには、0.02mgのビタミンB1が含まれています(※1)。

ビタミンB1が不足してしまうとスムーズに糖質をエネルギーに変換できないため、疲れが取れにくくなったり倦怠感が出たりしてしまいます。またエネルギー不足は脳や神経の働きにも影響するので、イライラしやすくなったり集中力が低下したりすることも多いです。

ビタミンB1が慢性的に不足すると、手足のしびれや倦怠感、食欲不振、心不全などの症状が起こる「脚気(かっけ)」という病気になってしまう恐れもあります。現代で脚気を発症するのはまれとされていますが、偏食がちな方は脚気になるリスクがあるため、意識してビタミンB1を摂取することが大切です。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、ビタミンB1の摂取推奨量が以下のように示されています(※2)。

男性 女性
18〜49歳 1.4mg 1.1mg
50〜74歳 1.3mg 1.1mg
75歳以上 1.2mg 0.9mg

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-10)

栄養素④ビタミンB2

ビタミンB2は糖質や脂質、タンパク質を代謝し、エネルギーを生成する際に補酵素として働く栄養素です。皮付きの生の大根100gには、0.01mgのビタミンB2が含まれています(※1)。

特に脂質の代謝に欠かせない栄養素で、脂っこい食事を好む方は積極的に取りたい栄養素の一つです。脂質をエネルギーに変えてくれるため、ダイエット中の方も意識してビタミンB2を摂取すると良いでしょう。また髪の毛や爪、肌の生成にも欠かせない栄養素で、粘膜を保護する役割も持っています。

赤血球の生成にも必要な栄養素なので、ビタミンB2が不足すると貧血にもなりやすくなってしまうでしょう。体を老化させる活性酸素を除去する際にも補酵素として働くため、老化防止やがん・動脈硬化予防にも効果が期待できます。

日本人の食事摂取基準(2020年版)で示されているビタミンB2の摂取推奨量は以下の通りです(※2)。

男性 女性
18〜49歳 1.6mg 1.2mg
50〜74歳 1.5mg 1.2mg
75歳以上 1.3mg 1.0mg

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(<入手日付 2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-10)

栄養素⑤ビタミンB6

ビタミンB6もタンパク質や脂質、糖質を代謝してエネルギーに変換する際に必要な、補酵素の役割を持つ栄養素です。皮付きの生の大根100gには、0.04mgのビタミンB6が含まれています(※1)。

ビタミンB2が特に脂質の代謝に関わっているのに対し、ビタミンB6は特にタンパク質の代謝に大きく関わっている栄養素です。筋肉を付けようと肉や魚、大豆などのタンパク質を多く取っている方は、特に意識して摂取する必要があるでしょう。

またビタミンB2は、免疫機能の正常化や赤血球の生成にも欠かせません。GABAやセロトニン、ドーパミン、アドレナリンといった神経伝達物質の合成にもビタミンB6が必要です。女性ホルモン「エストロゲン」の代謝にも関わっているため、ホルモンバランスを正常化する効果も期待できます。

日本人の食事摂取基準(2020年版)で示されているビタミンB6の1日当たりの摂取推奨量は、18歳以上の男性で1.4mg、女性で1.1mgです(※2)。

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-10)

栄養素⑥ビタミンC

ビタミンCはコラーゲンが生成される際に必要不可欠な栄養素です。皮付きの生の大根100gには、12mgのビタミンCが含まれています(※1)。

コラーゲンは体内のあらゆるところで細胞をつなぎ、皮膚や骨、血管の健康を維持する働きを持っています。そのためビタミンCは、全身の健康維持に必要不可欠です。免疫力を向上させる働きも持っているので、病気の予防にも効果が期待できるでしょう。またビタミンCには鉄分の吸収をサポートする働きもあります。

日本人の食事摂取基準(2020年版)で示されているビタミンCの摂取推奨量は、18歳以上の男女で100mg/日です(※2)。

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-10)

栄養素⑦ナイアシン

ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれるビタミンB群の一種で、糖質や脂質、タンパク質を代謝する際に補酵素として働く栄養素です。皮付きの生の大根100gには、0.3mgのナイアシンが含まれています(※1)。

脂肪酸の合成やDNAの修復・合成、アルコールの分解、神経伝達物質の一つであるセロトニンの生成にも、ナイアシンは欠かせません。一般的な食事をしていればナイアシンが不足することはありませんが、お酒を多く飲む方はナイアシンが不足して、ペラグラを発症する恐れがあります。ペラグラは下痢や食欲不振、めまい、精神症状などを引き起こす疾患です。

日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、ナイアシンの摂取推奨量が以下のように示されています(※2)。

男性 女性
18〜29歳 15mg 11mg
30〜49歳 15mg 12mg
50〜74歳 14mg 11mg
75歳以上 13mg 10mg

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-10)

栄養素⑧葉酸

葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球の生成に欠かせない栄養素です。皮付きの生の大根100gには、34μgの葉酸が含まれています(※1)。

葉酸が不足すると貧血が起こるリスクがあります。またDNAやRNAといった核酸の生成にも葉酸は必要不可欠で、不足すると細胞分裂や分化がスムーズに行われません。妊娠中に葉酸が不足すると胎児の成長に影響を及ぼしてしまう恐れがあるため、妊娠中の積極的な摂取が推奨されています。

日本人の食事摂取基準(2020年版)は、18歳以降の男女の葉酸の摂取推奨量を240μg/日としています(※2)。妊娠を計画している女性や妊娠中の女性の摂取推奨量は、400µg/日です(※3)。食事で過剰摂取する心配は基本的にありませんが、サプリメントでの耐容上限量は1mg/日とされているので、過剰摂取には注意しましょう(※4)。

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-10)
(※2)(※3)(※4)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-10)

栄養素⑨パントテン酸

パントテン酸もビタミンB群の一種で、脂質や糖質の代謝に欠かせない栄養素です。皮付きの生の大根100gには、0.12mgのパントテン酸が含まれています(※1)。

さまざまな食品に含まれている栄養素なので、普通に食事をしていればパントテン酸が不足することはほとんどありません。ただし極端な偏食や食事制限などでパントテン酸が不足すると、感覚異常や倦怠感、食欲不振、成長障害などの症状が引き起こされることがあります。

日本人の食事摂取基準(2020年版)で示されるパントテン酸の摂取目安量は、以下の通りです(※2)。

男性 女性
18〜49歳 5mg 5mg
50歳以上 6mg 5mg

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-10)

栄養素⑩カリウム

ミネラルの一種であるカリウムは、体内の浸透圧を調整する働きを持つ栄養素です。皮付きの生の大根100gには、230mgのカリウムが含まれています(※1)。

浸透圧を調整する栄養素には塩分に含まれるナトリウムもあり、カリウムとナトリウムはお互いに作用して、浸透圧を一定に維持しています。またカリウムはナトリウムを排出する働きも持っているため、過剰に塩分を摂取した際にはカリウムをしっかり取ることが大切です。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、カリウムの1日の摂取目標量が、18歳以上の男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上とされています(※2)。

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-10)

栄養素⑪カルシウム

カルシウムはミネラルの一種で、骨や歯を作るのに欠かせない栄養素です。皮付きの生の大根100gには、24mgのカルシウムが含まれています(※1)。

体内に存在するミネラルの中で最も多く、成人の体内には約1kgのカルシウムが存在しています(※2)。不足すると骨や歯の健康が損なわれ、骨粗しょう症のリスクもあるため、しっかり摂取することが大切です。また血液中や細胞内にもカルシウムは存在しており、出血の際の血液凝固や筋肉・心臓の正常な働きにも影響しています。

日本人の食事摂取基準(2020年版)で示されているカルシウムの1日当たりの摂取推奨量は以下の通りです(※3)。

男性 女性
18〜29歳 800mg 650mg
30〜74歳 750mg 650mg
75歳以上 700mg 600mg

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-10)
(※2)参考:e-ヘルスネット「カルシウム」(入手日付021-05-10)
(※3)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-10)

栄養素⑫マグネシウム

マグネシウムもミネラルの一種で、カルシウムとともに骨の形成に欠かせない栄養素です。皮付きの生の大根100gには、10mgのマグネシウムが含まれています(※1)。

補酵素として300種類以上の酵素の働きを活発にさせる効果もあり、筋肉の正常な働きやスムーズな神経伝達、体温・血圧の調節にも関わっている栄養素です(※2)。マグネシウムが不足すると、骨の形成に問題が出たり、不整脈や高血圧、筋肉の痙攣などが起こったりすることがあります。

日本人の食事摂取基準(2020年版)で示されている1日のマグネシウムの摂取推奨量は、以下の通りです(※3)。

男性 女性
18〜29歳 340mg 270mg
30〜64歳 370mg 290mg
65〜74歳 350mg 280mg
75歳以上 320mg 260mg

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-10)
(※2)参考:e-ヘルスネット「マグネシウム」(入手日付2024-09-10)
(※3)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-10)

栄養素⑬亜鉛

亜鉛もミネラルの一種で、骨や歯、肝臓、腎臓、筋肉など、全身の細胞に含まれている栄養素です。皮付きの生の大根100gには、0.2mgの亜鉛が含まれています(※1)。

体内に入ってきた細菌などに対する免疫機能を維持するのに欠かせない栄養素で、DNAやタンパク質の合成にも欠かせません。また味覚にも大きく影響しており、亜鉛不足になると味覚に違和感が生じることがあります。

日本人の食事摂取基準(2020年版)で示されている1日の亜鉛の摂取推奨量は、18〜74歳の男性で11mg、女性で8mgです(※2)。

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付2024-09-10)

栄養素⑭鉄

鉄は赤血球の材料となるミネラルの一種です。皮付きの生の大根100gには、0.2mgの鉄が含まれています(※1)。

鉄が不足すると赤血球が不足する上、全身に酸素がスムーズに運ばれなくなってしまうので、貧血を起こす恐れがあります。また酸素が脳に届かなくなることで、思考力や記憶力の低下にもつながってしまうでしょう。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日の鉄の摂取推奨量が以下のように示されています(※2)。

男性 女性
月経あり 月経なし
18〜29歳 7.5mg 10.5mg 6.5mg
30〜49歳 7.5mg 10.5mg 6.5mg
50〜64歳 7.5mg 11.0mg 6.5mg
65〜74歳 7.5mg 6.0mg
75歳以上 7.0mg 6.0mg

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-10)

栄養素⑮銅

銅は酸素を全身に運んだり鉄を代謝したりする際に必要なミネラルの一種です。皮付きの生の大根100gには、0.02mgの銅が含まれています(※1)。

銅はタンパク質と結び付くことで、体内で起こるさまざまな化学反応をサポートする他、貧血を予防し、健康な骨や血管壁の維持に欠かせないエラスチンの生成を促進する働きも持っています。活性酸素の生成を抑制する働きも持つため、体の老化を予防する効果も期待できるでしょう。

日本人の食事摂取基準(2020年版)で示されている1日の銅の摂取推奨量は、18〜74歳の男性で0.9mg、女性で0.7mgです(※2)。

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-10)

大根の葉には どんな 栄養素がある?

採れたて大根の葉

大根といえば白い根の部分を食べるのが一般的ですが、葉の部分にも豊富な栄養素が含まれています。大根の葉の主な栄養素を見てみましょう。

葉の栄養素①βカロテン

大根の葉に含まれるβカロテンは、体内でビタミンAに変換される色素です。生の大根の葉100gには、2,300μgのβカロテンが含まれています(※1)。

ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保ち、正常な免疫機能を維持するのに欠かせません。高い抗酸化作用を持つため、美肌効果やがん予防効果も期待できるとされています。

日本人の食事摂取基準(2020年版)では、βカロテンの摂取推奨量は示されていませんが、ビタミンAの摂取推奨量は、以下のように示されています(※2)。

男性 女性
18〜29歳 850µg 650µg
30〜64歳 900µg 700µg
65〜74歳 850µg 700µg
75歳以上 800µg 650µg

(※1)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-10)
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-10)

葉の栄養素②ビタミンC

生の大根の葉100gには49mgのビタミンCが含まれています。ビタミンCの含有量は、大根の根の部分よりも多いです(※)。

ビタミンCは前述した通り、皮膚や骨、血管などの健康を維持するコラーゲンの生成に欠かせません。

(※)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-10)

葉の栄養素③カリウム

生の大根の葉100gには340mgのカリウムが含まれています。カリウムの含有量も、大根の根の部分より多いです(※)。

前述した通り、カリウムは体内の浸透圧を一定に維持し、ナトリウムの排出を促す役割があります。

(※)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-10)

大根の栄養素を効果的に取る食べ方

大根おろし イメージ

大根に含まれる豊富な栄養素をしっかり摂取するには、食べ方を工夫することも大切です。大根の栄養素を効果的に取る4つの食べ方をご紹介します。

食べ方①【栄養を余すことなく取りたい】すりおろして生で食べる

大根の豊富な栄養を余すことなく取りたいなら、大根おろしにして生で食べましょう。

大根に含まれる栄養素の中にはビタミンB群やビタミンC、カリウムのように水に溶けやすい性質を持つものもあります。またでんぷんを糖に分解する消化酵素のジアスターゼは、加熱すると効果が失われてしまいます。

そのため栄養をしっかり取るには、調理せずに生で食べるのがポイントです。甘みのある大根なら、サラダで食べてもおいしく味わえます。

食べ方②【無理なく取り入れたい】火を通して食べる

「生で食べるのは苦手」という方は、火を通して無理なく食べましょう。

加熱すると損なわれてしまう栄養素もありますが、火を通して調理すれば生よりも多く大根を食べやすくなり、消化も良くなります。ただしビタミンB群やビタミンC、カリウムは流れ出てしまうので、お味噌汁やスープなどにして汁ごと食べるのがおすすめです。また水を使わない蒸し料理や油炒めなら、栄養が損なわれてしまうのを防げます。

食べ方③【いつも食べきれない】切り干し大根を食べる

「いつも食べきれずに大根を余らせてしまう」という方は、大根を細切りにして乾燥させた切り干し大根を食べるのもおすすめです。

実は大根に含まれる水分を蒸発させることで、生の状態よりも栄養が凝縮されます。生の大根と切り干し大根に含まれる栄養の違いを見てみましょう。

大根(※1)
(生・皮付き・100g)
切り干し大根(※2)
(乾燥100g)
食物繊維 1.4g 21.3g
ビタミンB1 0.02mg 0.35mg
ビタミンB2 0.01mg 0.20mg
ビタミンB6 0.04mg 0.29mg
ビタミンC 12mg 28mg
ナイアシン 0.3mg 4.6mg
葉酸 34μg 210μg
パントテン酸 0.12mg 1.24mg
カリウム 230mg 3,500mg
カルシウム 24mg 500mg
マグネシウム 10mg 160mg
亜鉛 0.2mg 2.1mg
0.2mg 3.1mg
0.02mg 0.13mg

食べる際には水で戻しますが、戻した水にも栄養素が含まれているので、煮汁にすればしっかり栄養が取れます。

(※1)(※2)参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-10)

食べ方④【いつもと変わった食べ方をしたい】大根の葉を炒めて食べる

いつもと違う食べ方で大根を味わいたいなら、大根の葉を炒めて食べるのがおすすめです。

前述した通り、大根の葉にも豊富な栄養が含まれていますが、βカロテンは、油と一緒に取ることで吸収しやすくなります。油で炒めれば水に溶けやすいビタミンCやカリウムが流れにくくなるので、しっかり栄養を取れるでしょう。

ちりめんじゃこや、ごまなどを加えて炒め、ふりかけにするのもおすすめです。

栄養価の高い大根を選ぶポイント

POINT ポイント

大根を買うならできるだけ栄養価が高いものを選ぶことも大切です。栄養価の高い大根を選ぶ3つのポイントをご紹介します。

ポイント①表面が傷んでいないか

大根を選ぶ際は、まず表面が傷んでいないかどうかをチェックしましょう。

表面が白く、ツヤがあってみずみずしい大根は、新鮮で栄養価が高い大根です。またできるだけまっすぐ育っている大根は、肥沃な土壌で育っている可能性が高いです。傷や変色が見られるもの、シワがあるもの、曲がっているものはなるべく避けましょう。

ポイント②葉が新鮮そうか

葉が付いている大根なら、葉の新鮮さもチェックしてみてください。

大根の根は地中で育つので、葉っぱが光合成をして栄養を根に送っています。そのため葉が元気良く、根元が立っている大根は、栄養をしっかり含んでいる可能性が高いです。

ポイント③断面にすが入っていないか

カットされた大根を購入する際は、断面にすが入っていないかもチェックしましょう。

「す」とは空洞のことです。大根は古くなると、水分が抜けて小さな穴が開いてしまうことがあります。すが入ると大根本来のみずみずしさが失われ、食感にも影響してしまいます。

カットした大根は鮮度が落ちやすいので、購入する際はしっかりとチェックしてみてください。

まとめ

本記事では、大根の特徴、大根に含まれている15種類の栄養素と期待できる効果、大根の栄養素を効果的に取る食べ方などをご紹介しました。大根には食物繊維や消化酵素、さまざまなビタミンやミネラルが豊富に含まれています。大根を食べるときは調理法も工夫して、できるだけたくさんの栄養素を摂取できるようにしましょう。

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