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ほうれん草おひたしやお味噌汁などさまざまな料理で食卓に並ぶほうれん草は、豊富な栄養を含んでいます。具体的にどのような栄養素がほうれん草に含まれているのでしょうか。

本記事ではほうれん草に含まれる代表的な栄養素や、ほうれん草を選ぶ際のコツ、栄養を逃しづらい調理方法をご紹介します。おすすめレシピもご紹介するので、「料理のバリエーションが欲しい」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

<もくじ>

ほうれん草に含まれる代表的な栄養素

カリウム

ビタミンA

ビタミンC

たんぱく質

食物繊維

ビタミンE

ビタミンK

ビタミンB1

ビタミンB2

ナイアシン

ビタミンB6

葉酸

パントテン酸

ビオチン

亜鉛

カルシウム

マグネシウム

ほうれん草を選ぶ際のコツ

ほうれん草のおすすめの調理方法

加熱は電子レンジを使う

調理時に油を使う

ゆでるときは短時間にする

ほうれん草のおすすめのレシピ3選

ほうれん草のおひたし

ほうれん草と舞茸のキッシュ

ほうれん草のポタージュ

まとめ

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ほうれん草に含まれる代表的な栄養素

ほうれん草

さっそくほうれん草に含まれている代表的な栄養素やほうれん草に含まれる量、厚生労働省が示す一日の摂取推奨量・目標量・目安量をご紹介します。

カリウム

カリウムは体の浸透圧を調節する働きを持つミネラルの一種です。生のほうれん草100gには、690mgのカリウムが含まれています(※1)。

カリウムは過剰なナトリウムを排出する作用を持つため、塩分が多い食事を取りがちな方は、積極的にカリウムを摂取しましょう。カリウムは神経伝達や筋肉の収縮にも欠かせない栄養素で、不足すると運動機能の低下や痙攣、脱力感、食欲不振などの症状が起こる恐れがあります。

カリウムの一日の摂取目標量は以下の通りです(※2)。

男性 女性
3〜5歳 1,400mg以上 1,400mg以上
6〜7歳 1,800mg以上 1,800mg以上
8〜9歳 2,000mg以上 2,000mg以上
10〜11歳 2,200mg以上 2,000mg以上
12〜14歳 2,400mg以上 2,400mg以上
15〜75歳以上 3,000mg以上 2,600mg以上

※1 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※2 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

鉄はミネラルの一種で、赤血球の素となる栄養素です。生のほうれん草100gには、2.0mgの鉄が含まれています(※3)。

成人の体内には3〜5g程度の鉄が存在しているといわれています(※4)。このうち約70%は、赤血球のヘモグロビンや筋肉のミオグロビンを構成している「機能鉄」です(※4)。残りの約30%は機能鉄が不足した際のストックとして、肝臓や骨髄、筋肉、膵臓などにあります(※4)。

赤血球には血液を全身に運ぶ働きがあり、鉄不足になると体内の赤血球の数が減ってしまいます。そうすると酸素が行きわたらなくなり、頭痛、食欲不振、疲労感などの貧血症状が出てしまう他、脳にも酸素が十分に届かなくなるので、集中力や記憶力も低下してしまいます。

鉄の一日の摂取推奨量は以下の通りです(※5)。

男性 女性
月経なし 月経あり
6〜11カ月 5.0mg 4.5mg
1〜2歳 4.5mg 4.5mg
3〜7歳 5.5mg 5.5mg
8〜9歳 7.0mg 7.5mg
10〜11歳 8.5mg 8.5mg 12.0mg
12〜14歳 10mg 8.5mg 12.0mg
15〜17歳 10mg 7.0mg 10.5mg
18〜49歳 7.5mg 6.5mg 10.5mg
50〜64歳 7.5mg 6.5mg 11.0mg
65〜74歳 7.5mg 6.0mg
75歳以上 7.0mg 6.0mg

※3 参考:食品成分データベース.「食品詳細」(入手日付2024-09-30)
※4 参考:e-ヘルスネット「鉄」(入手日付 2024-09-30)
※5 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

ビタミンA

ビタミンAは油に溶けやすい脂溶性ビタミンの一種です。生のほうれん草100gには、350µgのビタミンAが含まれています(※6)。

ビタミンAは目や粘膜の健康を維持するのに欠かせない栄養素で、免疫機能にも大きく影響しています。心臓や肺、腎臓などの臓器の正常な働きを保つためにも欠かせません。

ビタミンAが不足することは基本的にありませんが、不足すると皮膚や粘膜が乾燥したり、暗いところで異常に視力が低下したりしてしまう恐れがあります。

ビタミンAの一日の摂取推奨量は以下の通りです(※7)。

男性 女性
1〜2歳 400µg 350µg
3〜5歳 450µg 500µg
6〜7歳 400µg 400µg
8〜9歳 500µg 500µg
10〜11歳 600µg 600µg
12〜14歳 800µg 700µg
15〜17歳 900µg 650µg
18〜29歳 850µg 650µg
30〜64歳 900µg 700µg
65〜74歳 850µg 700µg
75歳以上 800µg 650µg

※6 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※7 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

ビタミンC

ビタミンCは、コラーゲンの生成や免疫機能の維持に欠かせない水溶性ビタミンの一種です。生のほうれん草100gには、35mgのビタミンCが含まれています(※8)。

ビタミンCは皮膚や粘膜、髪の毛、骨、歯などの健康を維持するために欠かせません。活性酸素の働きを抑制する作用もあり、シミなどの肌老化を予防する効果も期待できるので、美肌を目指す方は積極的に取りたい栄養素です。また鉄の吸収率を高めるためにも、ビタミンCが欠かせません。

ビタミンCの一日の摂取推奨量は以下の通りです(※9)。

男性 女性
1〜2歳 40mg 40mg
3〜5歳 50mg 50mg
6〜7歳 60mg 60mg
8〜9歳 70mg 70mg
10〜11歳 85mg 85mg
12〜75歳以上 100mg 100mg

※8 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※9 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

たんぱく質

たんぱく質は、皮膚や筋肉、臓器、髪の毛などの原料になる栄養素です。生のほうれん草100gには、2.2gのたんぱく質が含まれています(※10)。

エネルギー生成や体温調節機能、ホルモンの分泌、栄養吸収などにも関わっている3大栄養素の一つです。生きていくためにはたんぱく質が必要不可欠なので、意識的に摂取するようにしましょう。たんぱく質不足になると、免疫力や体力の低下、成長障害などが起こる恐れがあります。

たんぱく質の一日の摂取推奨量は以下の通りです(※11)。

男性 女性
1〜2歳 20mg 20mg
3〜5歳 25mg 25mg
6〜7歳 30mg 30mg
8〜9歳 40mg 40mg
10〜11歳 45mg 50mg
12〜14歳 60mg 55mg
15〜17歳 65mg 55mg
18〜64歳 65mg 50mg
65〜75歳以上 60mg 50mg

※10 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※11 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

食物繊維

食物繊維は人間の消化酵素で分解できない物質のことです。生のほうれん草100gには、2.8gの食物繊維が含まれています(※12)。

水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維があり、ほうれん草はどちらの食物繊維も含まれている野菜です。食物繊維には整腸作用があり、スムーズな排便に欠かせません。

また脂質・糖質・ナトリウムを吸着する働きもあるので、肥満や高血圧を予防する効果も期待できます。

食物繊維の一日の摂取目標量は以下の通りです(※13)。

男性 女性
3〜5歳 8g以上 8g以上
6〜7歳 10g以上 10g以上
8〜9歳 11g以上 11g以上
10〜11歳 13g以上 13g以上
12〜14歳 17g以上 17g以上
15〜17歳 19g以上 18g以上
18〜64歳 21g以上 18g以上
65歳以上 20g以上 17g以上

※12 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※13 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用が期待できる脂溶性ビタミンの一種です。生のほうれん草100gには、ビタミンEが2.3mg含まれています(※14)。

強い抗酸化作用を持ち、体内の脂質の酸化を防ぐ働きがあります。動脈硬化や血栓症、低血圧などを予防する効果も期待できる栄養素です。肌が本来持っているバリア機能を強化し、紫外線などの刺激から肌を守る効果を高められます。

通常の食事でビタミンEが不足することはほとんどありませんが、不足すると不妊症や神経障害、筋力低下、免疫力低下などが起こることがあります。

ビタミンEの一日の摂取目安量は以下の通りです(※15)。

男性 女性
0〜5カ月 3.0mg 3.0mg
6〜11カ月 4.0mg 4.0mg
1〜2歳 3.0mg 3.0mg
3〜5歳 4.0mg 4.0mg
6〜9歳 5.0mg 5.0mg
10〜11歳 5.5mg 5.5mg
12〜14歳 6.5mg 6.0mg
15〜17歳 7.0mg 5.5mg
18〜29歳 6.0mg 5.0mg
30〜64歳 7.0mg 5.5mg
65〜74歳 7.0mg 6.5mg
75歳以上 6.5mg 6.5mg

※14 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※15 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

ビタミンK

ビタミンKは血液を固める作用を持つ脂溶性ビタミンです。生のほうれん草100gには、270µgのビタミンKが含まれています(※16)。

骨にカルシウムが沈着する際に必要なたんぱく質の働きを促進する作用もあるので、骨の健康を維持するためにも欠かせません。体内で合成される栄養素でもあるので、不足することはほとんどありませんが、不足すると血が止まりにくくなる他、鼻血が出やすくなることがあります。

ビタミンKの一日の摂取目安量は以下の通りです(※17)。

男性 女性
0〜5カ月 4µg 4µg
6〜11カ月 7µg 7µg
1〜2歳 50µg 60µg
3〜5歳 60µg 70µg
6〜7歳 80µg 90µg
8〜9歳 90µg 110µg
10〜11歳 110µg 140µg
12〜14歳 140µg 170µg
15〜17歳 160µg 150µg
18〜75歳以上 150µg 150µg

※16 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※17 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

ビタミンB1

ビタミンB1は水溶性ビタミンの一種です。生のほうれん草100gには、0.11mgのビタミンB1が含まれています(※18)。

糖質をエネルギーに変換する際に欠かせない栄養素なので、糖質を多く摂取する方は積極的にビタミンB1を摂りましょう。また運動量が多い方もエネルギー不足にならないために、ビタミンB1を意識して摂ることが大切です。ビタミンB1が不足すると、疲労を感じやすくなるといわれています。

ビタミンB1の一日の摂取推奨量は以下の通りです(※19)。

男性 女性
1〜2歳 0.5mg 0.5mg
3〜5歳 0.7mg 0.7mg
6〜7歳 0.8mg 0.8mg
8〜9歳 1.0mg 0.9mg
10〜11歳 1.2mg 1.1mg
12〜14歳 1.4mg 1.3mg
15〜17歳 1.5mg 1.2mg
18〜49歳 1.4mg 1.1mg
50〜74歳 1.3mg 1.1mg
75歳以上 1.2mg 0.9mg

※18 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※19 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

ビタミンB2

ビタミンB2も水溶性ビタミンの一種です。生のほうれん草100gには、0.20mgのビタミンB2が含まれています(※20)。

脂質・糖質・たんぱく質がエネルギーに変換する際に必要な栄養素で、特に脂質の代謝にはビタミンB2が欠かせません。ビタミンB2が不足すると、脂漏性皮膚炎や口内炎が起こりやすくなってしまいます。

ビタミンB2の一日の摂取推奨量は以下の通りです(※21)。

男性 女性
1〜2歳 0.6mg 0.5mg
3〜5歳 0.8mg 0.8mg
6〜7歳 0.9mg 0.9mg
8〜9歳 1.1mg 1.0mg
10〜11歳 1.4mg 1.3mg
12〜14歳 1.6mg 1.4mg
15〜17歳 1.7mg 1.4mg
18〜49歳 1.6mg 1.2mg
50〜74歳 1.5mg 1.2mg
75歳以上 1.3mg 1.0mg

※20 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※21 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

ナイアシン

ナイアシンはビタミンB3とも呼ばれる水溶性ビタミンの一種です。生のほうれん草100gには、0.6mgのナイアシンが含まれています(※22)。

脂質・糖質・たんぱく質からエネルギーが作り出される際に、補酵素として働く栄養素です。またDNAの修復・合成、アルコール代謝にもナイアシンが欠かせません。

通常の食事でナイアシンが不足することはまれですが、不足すると皮膚の炎症や下痢、めまいやうつ症状などが現れる「ペラグラ」という疾患が引き起こされることがあります。

ナイアシンの一日の摂取推奨量は以下の通りです(※23)。

男性 女性
1〜2歳 6mgNE 5mgNE
3〜5歳 8mgNE 7mgNE
6〜7歳 9mgNE 8mgNE
8〜9歳 11mgNE 10mgNE
10〜11歳 13mgNE 10mgNE
12〜14歳 15mgNE 14mgNE
15〜17歳 17mgNE 13mgNE
18〜29歳 15mgNE 11mgNE
30〜49歳 15mgNE 12mgNE
50〜74歳 14mgNE 11mgNE
75歳以上 13mgNE 10mgNE

※ナイアシン当量(NE)=ナイアシン+1/60トリプトファン

※22 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※23 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

ビタミンB6

ビタミンB6は、エネルギーを作り出す際に欠かせない水溶性ビタミンです。生のほうれん草100gには、0.14mgのビタミンB6が含まれています(※24)。

たんぱく質は体内で分解されてアミノ酸になり、再合成されて皮膚や筋肉の原料となりますが、ビタミンB6はアミノ酸の分解にも再合成にも欠かせません。免疫機能の維持やヘモグロビンの合成にも必要不可欠な栄養素です。またPMS(月経前症候群)の症状軽減にも効果が期待できるので、特に女性は意識して摂取すると良いでしょう。

ビタミンB6の一日当たりの摂取推奨量は以下の通りです(※25)。

男性 女性
1〜2歳 0.5mg 0.5mg
3〜5歳 0.6mg 0.6mg
6〜7歳 0.8mg 0.7mg
8〜9歳 0.9mg 0.9mg
10〜11歳 1.1mg 1.1mg
12〜14歳 1.4mg 1.3mg
15〜17歳 1.5mg 1.3mg
18〜75歳以上 1.4mg 1.1mg

※24参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※25 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

葉酸

葉酸はビタミンB群の水溶性ビタミンです。生のほうれん草100gには、210μgの葉酸が含まれています(※26)。

造血ビタミンとして知られており、葉酸が不足すると貧血になる恐れがあります。またDNAの合成に欠かせない栄養素で、妊娠中に葉酸が不足すると胎児への影響が出るリスクが高くなるとされており、妊娠を計画している方や妊婦の方には積極的な摂取が推奨されている栄養素です。

葉酸の一日の摂取推奨量は以下の通りです(※27)。

男性 女性
1〜2歳 90μg 90μg
3〜5歳 110μg 110μg
6〜7歳 140μg 140μg
8〜9歳 160μg 160μg
10〜11歳 190μg 190μg
12〜75歳以上 240μg 240μg

妊娠を計画している女性や妊娠中の女性は、一日400µgの摂取が推奨されています(※27)。サプリメントで摂取する場合は、一日の耐容上限量が5mgなので過剰摂取に注意しましょう(※27)。

※26 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※27 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

パントテン酸

パントテン酸はビタミンB5とも呼ばれる水溶性ビタミンです。生のほうれん草100gには、0.20mgのパントテン酸が含まれています(※28)。

エネルギー代謝に関わる栄養素で、特に脂質や糖質の代謝に欠かせません。また免疫抗体を合成する働きや解毒作用があり、ストレスを和らげる副腎皮質ホルモンの合成にも必要な栄養素です。

パントテン酸の一日の摂取目安量は以下の通りです(※29)。

男性 女性
0〜5カ月 4mg 4mg
6〜11カ月 5mg 5mg
1〜2歳 3mg 4mg
3〜5歳 5mg 4mg
6〜7歳 5mg 5mg
8〜9歳 6mg 5mg
10〜11歳 6mg 6mg
12〜17歳 7mg 6mg
18〜49歳 5mg 5mg
50歳以上 6mg 5mg

※28 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※29 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

ビオチン

ビオチンはビタミンB7・ビタミンHとも呼ばれる水溶性ビタミンです。生のほうれん草100gには、2.9μgのビオチンが含まれています(※30)。

アミノ酸や脂質がエネルギーに変わる際に必要な栄養素です。また健康な皮膚や粘膜、髪の毛、爪の維持にも欠かせません。さまざまな食事に含まれているので、ビオチンが不足することは基本的にありませんが、不足すると皮膚炎や食欲不振、抜け毛などが起こることがあります。

ビオチンの一日の摂取目安量は以下の通りです(※31)。

男性 女性
0〜5カ月 4μg 4μg
6〜11カ月 5μg 5μg
1〜2歳 20μg 20μg
3〜5歳 20μg 20μg
6〜9歳 30μg 30μg
10〜11歳 40μg 40μg
12〜75歳以上 50μg 50μg

※30 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※31 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

亜鉛

亜鉛は骨や歯、肝臓、腎臓、筋肉など、全身のさまざまな細胞に存在するミネラルの一種です。生のほうれん草100gには、0.7mgの亜鉛が含まれています(※32)。

約100種類の酵素の活性に欠かせない栄養素で、免疫機能の維持やホルモンの合成、DNA合成、細胞分裂などにも関与しています(※33)。また味覚を司る細胞の合成にも関わっているので、亜鉛不足になると食事をおいしく感じられなくなってしまうでしょう。

一日の亜鉛の摂取推奨量は以下の通りです(※34)。

男性 女性
1〜2歳 3mg 3mg
3〜5歳 4mg 3mg
6〜7歳 5mg 4mg
8〜9歳 6mg 5mg
10〜11歳 7mg 6mg
12〜14歳 10mg 8mg
15〜17歳 12mg 8mg
18〜74歳 11mg 8mg
75歳以上 10mg 8mg

※32 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※33 参考:eJIM「亜鉛」(入手日付2021-03-12)
※34 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

カルシウム

カルシウムは歯や骨を形成するミネラルです。生のほうれん草100gには、49mgのカルシウムが含まれています(※35)。

ミネラルの中では、最も多く人間の体に存在している栄養素です(※36)。大半は骨や歯に存在していますが、一部は血液や筋肉、神経に存在しており、出血の予防や筋肉の収縮、興奮神経を抑える作用も持っています。カルシウムは多くの年代で不足しがちな栄養素です。不足すると骨が脆くなるので意識的に摂取しましょう。

カルシウムの一日の摂取推奨量は以下の通りです(※37)。

男性 女性
1〜2歳 450mg 400mg
3〜7歳 600mg 550mg
8〜9歳 650mg 750mg
10〜11歳 700mg 750mg
12〜14歳 1,000mg 800mg
15〜29歳 800mg 650mg
30〜74歳 750mg 650mg
75歳以上 700mg 600mg

※35 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※36 参考:e-ヘルスネット「カルシウム」(入手日付2021-05-10)
※37 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

マグネシウム

マグネシウムもミネラルの一種です。生のほうれん草100gには、69mgのマグネシウムが含まれています(※38)。

カルシウムとともに骨を作る働きがある栄養素です。また約300種類の酵素を活性化する作用もあり、筋肉の収縮や神経伝達、血圧の調整、血栓予防などにも欠かせません(※39)。慢性的なマグネシウム不足になると、不整脈や高血圧、動脈硬化などが引き起こされてしまうことがあります。

一日のマグネシウムの摂取推奨量は、以下の通りです(※40)。

男性 女性
1〜2歳 70mg 70mg
3〜5歳 100mg 100mg
6〜7歳 130mg 130mg
8〜9歳 170mg 160mg
10〜11歳 210mg 220mg
12〜14歳 290mg 290mg
15〜17歳 360mg 310mg
18〜29歳 340mg 270mg
30〜64歳 370mg 290mg
65〜74歳 350mg 280mg
75歳以上 320mg 260mg

※38 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※39 参考:e-ヘルスネット「マグネシウム」(入手日付2024-09-30)
※40 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

銅はミネラルの一種です。生のほうれん草100gには、0.11mgの銅が含まれています(※41)。

銅は赤血球が作られるのをサポートする働きを持つ他、鉄を代謝する際にも欠かせない栄養素なので、不足すると貧血が起こりやすくなります。骨や血液壁を強くするエラスチンという物質の生成に関与している他、活性酸素を抑えて老化を防ぐ働きも期待できます。

銅の一日の摂取推奨量は以下の通りです(※42)。

男性 女性
1〜2歳 0.3mg 0.3mg
3〜5歳 0.4mg 0.3mg
6〜7歳 0.4mg 0.4mg
8〜9歳 0.5mg 0.5mg
10〜11歳 0.6mg 0.6mg
12〜14歳 0.8mg 0.8mg
15〜74歳 0.9mg 0.7mg
75歳以上 0.8mg 0.7mg

※41 参考:食品成分データベース「食品詳細」(入手日付 2024-09-30)
※42 参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(入手日付 2024-09-30)

ほうれん草を選ぶ際のコツ

新鮮な野菜

新鮮なほうれん草を選ぶには、葉っぱ全体にハリがあり、濃い緑色をしているものを選びましょう。葉っぱに元気がないほうれん草や、色が薄いほうれん草は、鮮度が落ちてしまっています。

また根元がふっくらしていて赤みがあるほうれん草は、甘味が強いです。茎が程良く太く、根元付近から葉っぱのボリュームがあるものを選ぶと良いでしょう。

ほうれん草のおすすめの調理方法

採れたてのホウレンソウを洗う

ほうれん草の豊富な栄養素を余すことなく味わえる、おすすめの調理法をご紹介します。

加熱は電子レンジを使う

ほうれん草を加熱する際は、電子レンジを使いましょう。

ほうれん草に含まれる栄養素の中には、水に溶けやすい性質を持つものも多いです。水に浸してしまうと栄養が流れ出てしまうので、ゆでるよりも電子レンジ調理の方が栄養をしっかりと摂りやすくなります。

また、ほうれん草にはえぐみを感じさせるアク成分として「シュウ酸」が入っており、このアク成分であるシュウ酸が残っていると、料理の味が落ちてしまいます。さらに、アク成分であるシュウ酸は摂取し過ぎると結石を作り出す可能性がありますので、電子レンジで温めたあとはアク抜きとして短時間水にさらすようにしましょう。

調理時に油を使う

油を使うのも、ほうれん草のおすすめの調理法です。

ほうれん草に含まれるビタミンAは、油に溶けやすい性質を持っています。油を使って調理することで、ビタミンAの吸収率を高めることが可能です。またゆでた場合よりも水溶性の栄養素が損なわれるのを防げます。

ゆでるときは短時間にする

アク抜きなどでゆでる際は、できるだけ短時間でゆでましょう。

ほうれん草を1分ゆでると約30% 、5分ゆでると約60% のビタミンCが流れ出てしまうとされています。アク抜きをすると根元のえぐみが抜けておいしく味わえますが、短時間でさっとゆでるように心掛けましょう。

アスザックフーズWEBチームから一言

手軽にほうれん草を食べたいなら、フリーズドライのほうれん草もおすすめです。アスザックフーズのフリーズドライ ほうれん草は、ゆでられた後、過度に加熱せずに加工されているため、ご家庭で調理して使うほうれん草と栄養の差はあまりありません。スープやお味噌汁に入れれば簡単にほうれん草を摂取できます。

    • フリーズドライ ほうれん草(15g)

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ほうれん草のおすすめのレシピ3選

白バックに置かれたほうれん草

最後にフリーズドライのほうれん草を使ったおすすめレシピをご紹介します。

ほうれん草のおひたし

ほうれん草のおひたし

定番のほうれん草のおひたしも、フリーズドライのほうれん草を使えば簡単に作れます。

2人分の材料は以下の通りです。

作り方は以下の通りです。

  1. ほうれん草をお湯で戻す
  2. 水気を切る
  3. ほうれん草をお皿に持って、白だしとゆずをかける

ほうれん草と舞茸のキッシュ

キッシュ

ほうれん草と舞茸のキッシュは、冷めてもおいしいのでお弁当のおかずにも適しています。

3人分の材料は以下の通りです。

作り方は以下の通りです。

  1. パイシートを常温に戻す
  2. パイシートに打ち粉を振りながら、薄く伸ばして型に入れる
  3. フォークを使って生地の底に空気穴を開ける
  4. オーブンを予熱200度に温める
  5. 卵・牛乳・パルメザンチーズ・塩・胡椒をボウルに入れて混ぜる
  6. ほうれん草と舞茸を水で戻し、クッキングペーパーで水気を取る
  7. フライパンにバター半分と短冊切りにしたベーコンを入れて炒める
  8. 7に残りのバターとほうれん草、舞茸を入れ、塩・胡椒を適量入れる
  9. 5と8を合わせて型に流し込む
  10. 焼き色が付くまで20〜30分程度焼く

ほうれん草のポタージュ

ほうれん草パウダーを使えば、ほうれん草のポタージュも簡単に作れます。

2〜4人分の材料は以下の通りです。

  • ほうれん草パウダー:50g
  • 玉ねぎ:1/2個
  • 牛乳(豆乳):300ml
  • オリーブオイル(サラダ油):適量
  • 塩・胡椒:適量

作り方は以下の通りです。

  1. 玉ねぎをみじん切りにする
  2. フライパンに油を敷いて1と塩・胡椒を入れ、やや色が付く程度に炒める
  3. ほうれん草パウダーを2・3回に分けて2に入れ、玉ねぎとなじませる
  4. 3を小鍋に移し、牛乳を入れて中火で温める
  5. ふつふつしてきたら火を止める

まとめ

ほうれん草に含まれる豊富な栄養素の中には、水に溶け出してしまうものも多いです。余すことなく栄養を摂取するには、ご紹介した調理方法を参考にして栄養をできる限り逃さないように注意しましょう。
手軽にほうれん草を料理に取り入れたいなら、フリーズドライのほうれん草をストックしておくのもおすすめです。アスザックフーズはフリーズドライ ほうれん草やほうれん草パウダー、フリーズドライのほうれん草入りお味噌汁などを取りそろえています。手間をかけずにほうれん草の栄養を摂取したい方は、ぜひホームページをチェックしてみてください。


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