ミネラルとは? 種類や摂取方法を解説
人が健康的に活動するためには、さまざまな栄養素を摂取することが不可欠です。その中でも、特に重要な栄養素の一つがミネラル(無機質)です。ミネラルにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる役割を担っています。
本記事では、ミネラルの概要や種類、効果的に摂取する方法を解説します。ミネラルの摂取が大切だと分かっていても取り入れ方が分からないとお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
<もくじ>
–種類⑥鉄 –種類⑧銅 |
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ミネラルとは?
人の体を構成する主要な4つの元素 は、酸素・炭素・水素・窒素ですが、それ以外の元素の総称をミネラルといいます。ミネラルは無機質とも呼ばれていて、カルシウム・リン・カリウムなどが含まれます。生活習慣病の防止や健康維持に欠かせない栄養素であり、糖質・脂質・タンパク質・ビタミンと並ぶ5大栄養素 の一つです(※1)。
ミネラルは人の体内で生成できない栄養素であるため、食べ物から適切な量を摂取することが重要です。もしミネラルが不足すると、体にさまざまな不調が現れる可能性があります。例えば、カルシウム、リン、カリウムなどが不足すると、次のような不調が生じる可能性があります。
ミネラルの種類 | 不足すると現れやすくなる症状 |
カルシウム | 骨や歯の弱化、免疫機能の低下 |
リン | 筋力低下、食欲不振 |
カリウム | 食欲不振、高血圧、骨格筋の麻痺 |
鉄 | めまい、頭痛、動悸 |
(※1)参考:農林水産省「実践食育ナビ 食事バランスの早分かり」(入手日付2024–07-10)
体に必要な13種類のミネラル
体に必要なミネラルは多量ミネラルと微量ミネラルに分類され、それぞれ1日の摂取推奨量が異なります。また、多量ミネラルと微量ミネラルはそれぞれさらに細分化することが可能です。ここでは、多量ミネラルと微量ミネラルを合わせた13種類のミネラルについて解説します。
多量ミネラル
多量ミネラルは以下の5種類に細分化されます。
- ナトリウム
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- リン
以下で一つずつ解説します。
種類①ナトリウム
ナトリウムは体内の水分バランスを調整し、胆汁や膵液、腸液などの材料として機能する多量ミネラルです。一般的に、ナトリウムは食塩から摂取されるため、食事においてナトリウムが不足することはまれでしょう。しかし、ナトリウムを過剰に摂取すると、血圧上昇や胃がんのリスク増加につながる恐れがあります。
そのため、厚生労働省ではナトリウムの摂取量の目安として、成人男性であれば1日7.5g未満、成人女性であれば1日6.5g未満 としています(※2)。
(※2)参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「ナトリウム」(入手日付2024-07-09)
種類②カリウム
カリウムはナトリウムと同じく体内の水分バランスを調整するのが役目です。他にも、神経や筋肉の興奮伝導を調節する役割も担っています。カリウムは多くの食品に含まれているため、一般的には不足するケースはないでしょう。
またカリウムは尿から排泄されるため、過剰摂取するリスクも少ない栄養素です。ただし、腎臓の機能が低下している場合、カリウムの過剰摂取には注意が必要です。腎機能が低下しているとカリウムが排泄されず、高カリウム血症になりかねません。高カリウム血症になると、四肢のしびれや心電図異常などが現れる恐れがあります。
そこで、厚生労働省ではナトリウムの摂取目標量として、成人男性であれば1日3,000mg以上、成人女性であれば2,600mg以上が設けられています (※3)。
(※3)参考:厚生労働省 e-ヘルスネット.「カリウム」(入手日付2024-07-09)
種類③カルシウム
カルシウムは人の体に含まれるミネラルのうち、最も多い栄養素です。骨や歯を形成するだけでなく、筋肉の興奮の抑制や血液の凝固などの役割を担います。
カルシウムが不足すると、骨や歯が弱まってしまいます。特に閉経後の女性の場合、長期間にわたってカルシウムが不足すると骨粗鬆症を引き起こす可能性があるため注意しましょう。
一方、カルシウム過剰摂取にも注意が必要です。カルシウムを過剰に摂取してしまうと、高カルシウム血症や高カルシウム尿症につながりかねません。
そのため、厚生労働省ではカルシウムの成人1人1日当たりの推奨量を、男性であれば700~800mg、女性であれば650mg としています(※4)。
(※4)参考:厚生労働省 e-ヘルスネット.「カルシウム」(入手日付2024-07-092024-07-09)
種類④マグネシウム
マグネシウムは骨や歯を構成する成分であり、体温・血圧の調節や神経情報の伝達、筋肉の収縮などにも関わるミネラルです。通常の食事を摂取しているのであれば、マグネシウムが不足する可能性は低いでしょう。
マグネシウムが不足すると、不整脈の発生や慢性的な不足によって虚血性心疾患、動脈硬化症などのリスクにつながるため注意しなければなりません。またマグネシウムは尿で排泄されるため一般的には過剰摂取の可能性は低いものの、腎機能が低下している場合、高マグネシウム血症が起きるリスクがあります。
マグネシウムの1日当たりの推奨量 は次のように設定されています(※5)。
年齢 | 男性 | 女性 |
18~29(歳) | 340mg | 270mg |
30~49(歳) | 370mg | 290mg |
50~64(歳 | 370mg | 290mg |
65~74(歳) | 350mg | 280mg |
75以上(歳) | 320mg | 260mg |
※参考:厚生労働省.「多量ミネラル」“マグネシウムの食事摂取基準”p44(入手日付2024-07-09)
種類⑤リン
リンは体内にあるミネラルにおいて、カルシウムに次いで多い栄養素です。リンは細胞膜や核酸を構成する要素の一つであり、エネルギーの代謝や貯蔵にも関係しています。リンは一般的に多くの食品に含まれているため、不足することは少ないでしょう。しかし、リンを大量に摂取してしまうと心血管疾患病のリスクにつながりかねません。
そのため、リンは成人男性であれば1日1,000mg、女性であれば1日800mg を目安に摂取するのが良いでしょう(※5)。
(※5)参考:厚生労働省.「多量ミネラル」“マグネシウムの食事摂取基準”p45(入手日付2024-07-09)
微量ミネラル
続いて微量ミネラルは、以下の8種類に細分化されます。
- 鉄
- 亜鉛
- 銅
- マンガン
- ヨウ素
- セレン
- クロム
- モリブデン
以下で一つずつ解説します。
種類⑥鉄
鉄は赤血球のヘモグロビンを構成する要素で、全身に酸素を運ぶ役割を担います。鉄が不足すると脳に酸素が行き届かず、貧血の原因となることでも良く知られています。
鉄には動物性食品から摂取可能なヘム鉄と、植物性食品から摂取可能な非ヘム鉄に分けられ、ヘム鉄の方が吸収率が高いとされています。
一般的に鉄分を過剰摂取することは少ないとされていますが、鉄分を多く含む食事ばかりをしていると便秘や胃のむかつきにつながりかねません。
そこで、鉄は74歳までの成人男性であれば1日7.5mg、75歳以上は7.0mgが推奨量です。
女性の場合、月経の有無によって推奨量が異なります。月経がない64歳までの成人女性は6.5mg、65歳以上は6.0mgが推奨量です。一方、月経がある49歳までの成人女性は10.5mg、50歳から64歳であれば11.0mgが推奨量 となっています(※6)。
(※6)参考:厚生労働省.「微量ミネラル」“鉄の食事摂取基準(mg/日)(入手日付2024-07-09)
種類⑦亜鉛
亜鉛は200種以上の酵素を構成する成分であり、タンパク質の合成にも関わっています。亜鉛は多くの食べ物に含まれているため、通常の食事を取っていれば不足するケースは少ないでしょう。しかし亜鉛が不足すると、味覚への影響が現れる可能性があります。
そのため、厚生労働省では74歳までの成人男性であれば1日の摂取量を11mg、75歳以上の成人男性であれば10mgとしています。一方、成人女性は1日8mgが推奨摂取量 です(※7)。
(※7)参考:厚生労働省.「微量ミネラル」“亜鉛の食事摂取基準(mg/日)(入手日付2024-07-09)
種類⑧銅
銅も酵素を構成する成分の一つであり、神経伝達物質を生み出す際や鉄の代謝においても用いられます。普段の食生活において銅が不足するケースはまれですが、長期間、経腸栄養で栄養を摂取している場合、銅が不足することがあります。銅が不足すると、貧血や骨異常、毛髪異常などの症状が現れる可能性があります。
銅は74歳までの成人男性であれば1日0.9mg、75歳以上の成人男性であれば0.8mgが摂取推奨量です。また成人女性は1日0.7mgが推奨摂取量です (※8)。
(※8)参考:厚生労働省.「微量ミネラル」“銅の食事摂取基準(mg/日)(入手日付2024-07-09)
種類⑨マンガン
マンガンは酵素の活性化を促進する役割を担っています。マンガンも一般的な食事をしていれば不足することはない成分です。
マンガンの摂取目安量は、成人男性の場合は1日4.0mg、成人女性の場合は1日3.5mgが摂取目安量です (※9)。
(※9)参考:厚生労働省.「微量ミネラル」“マンガンの食事摂取基準(mg/日)(入手日付2024-07-09)
種類⑩ヨウ素
ヨウ素は細胞の代謝、成長促進の役割を担っています。ヨウ素は海藻類に豊富に含まれているため、日常的に摂取する傾向にある日本人が不足するケースはまれです。しかし、食生活の偏りなどでヨウ素が不足している場合、甲状腺の肥大や甲状腺腫につながりかねません。
そのため、ヨウ素は男女ともに成人であれば1日130μg が推奨量です(※10)。
(※10)参考:厚生労働省.「微量ミネラル」“ヨウ素の食事摂取基準(μg/日)(入手日付2024-07-09)
種類⑪セレン
セレンは酵素やタンパク質の一部を構成する成分で、細胞を守ったり、甲状腺が正常に機能するのを助けたりする役割があります。一般的な食事を送っている場合、セレンが不足することはほとんどないとされていますが、食生活の乱れなどによってセレンが不足してしまうと、心筋障害に伴う心不全や四肢の筋肉痛などにつながります。
セレンは成人男性の場合1日に30μg、成人女性であれば1日25μg が摂取推奨量です(※11)。
(※11)参考:厚生労働省.「微量ミネラル」“セレンの食事摂取基準(μg/日)(入手日付2024-07-09)
種類⑫クロム
クロムは糖質や脂質の代謝を維持したり、血中コレステロール値を下げたりするのが主な役割です。
クロムは一般的な食事を摂取しているのであれば不足するケースはまれですが、過剰摂取するケースも少ないとされています。ただ、サプリメントなどで多量に摂取してしまうと、糖や脂質、タンパク質の代謝異常、動脈硬化などの不調につながる恐れがあります。
クロムは成人男性、女性ともに10μgが1日 の摂取目安量です(※12)。
(※12)参考:厚生労働省.「微量ミネラル」“クロムの食事摂取基準(μg/日)(入手日付2024-07-09)
種類⑬モリブデン
モリブデンは肝臓や腎臓において有害物質を分解する際に必要な成分です。他にも鉄分の生成を助けるので造血にも大切な要素です。一般的な食生活であればモリブデンが不足する可能性は低く、同様に過剰に摂取してしまう可能性も低いとされています。
そこで、モリブデンは74歳までの成人男性であれば1日30mg、75歳以上の成人男性であれば25mgが摂取推奨量です。一方、成人女性は1日25mgが推奨摂取量です (※13)。
(※13)参考:厚生労働省.「微量ミネラル」“モリブデンの食事摂取基準(μg/日)(入手日付2024-07-09)
アスザックフーズスタッフから一言
人が健康的に活動するには、ミネラルも大事ですね。例えば、牛乳を毎日摂りたいと思う方には、ザク切りいちごがおすすめです。牛乳で溶かすとすぐいちごミルクが完成しますので、楽しく牛乳をとることができます。その他にも様々な食材を使用した便利なフリーズドライ商品がありますので、ぜひ利用してみてください。
ミネラルを摂取する方法
ミネラルを摂取する方法としては、以下の3つが挙げられます。
- 毎日の食事から取る
- ミネラルウォーターを飲む
- サプリメントや健康食品から取る
以下で一つずつ解説します。
方法①毎日の食事から 取る
モリブデンをはじめとして、ミネラルの中には一般的な食生活を送っていれば不足しない成分もあります。そのため、ミネラルを摂取するのであれば毎日の食事から摂取しましょう。それぞれのミネラルは次のような食べ物に豊富に含まれています。
ミネラルの種類 | 食べ物 |
ナトリウム | しょうゆ みそ 梅干し など |
カリウム | ドライフルーツ 刻み昆布 干しひじき など |
カルシウム | 乳製品 小魚 ゴマ など |
マグネシウム | しらす干し きな粉 油揚げ など |
リン | 干しエビ たまご アーモンド など |
鉄 | レバー ひじき 小松菜 など |
亜鉛 | 豚レバー しらす干し うなぎ など |
銅 | ホタルイカ きな粉 ごま など |
マンガン | あおのり アーモンド 干しエビ など |
ヨウ素 | 昆布 わかめ 昆布茶 など |
セレン | かつお たらこ ゴマ など |
クロム | ひじき わかめ 乾燥パセリ など |
モリブデン | きな粉 落花生 納豆 など |
上記のような食材を献立にバランスよく加えて、ミネラルが不足しないようにしましょう。
方法②ミネラルウォーターを飲む
ミネラルを摂取する際はミネラルウォーターもおすすめです。ミネラルウォーターには、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれています。カルシウム、マグネシウムの含有量や採取された地域によって、軟水と硬水に分けられるのが一般的です。軟水は口当たりが良く、硬水は独特の口当たりです。ミネラルウォーターからミネラルを摂取する際は何本かを飲み比べて、自分に合うものを選びましょう。
方法③サプリメントや健康食品から 取る
サプリメントや健康食品からもミネラルは摂取可能です。サプリメントや健康食品を活用すれば、手軽にミネラルの摂取が可能です。
サプリメントや健康食品からミネラルを摂取するのであれば、成分名や含有量、問い合わせ先を確認しておきましょう。サプリメントや健康食品でもミネラルを摂取しようとする場合、過剰に取り込んでしまう可能性があります。また、服用中の薬との飲み合わせも確認する必要があります。
このように、サプリメントや健康食品からミネラルを摂取する際は、さまざまな点に注意が必要です。そのため、可能な限り食事での摂取を心掛けましょう。
適切な食事でミネラルを摂取しよう
ミネラルとは、人の体を構成している酸素、炭素、水素、窒素の4つの元素以外の元素の総称です。ミネラルは大きく多量ミネラルと微量ミネラルに分けられ、それぞれのミネラルが重要な役割を担っています。
ミネラルを摂取する方法として毎日の食事から取る、ミネラルウォーターを飲む、サプリメントや健康食品から取るといった方法が挙げられるでしょう。しかし、サプリメントや健康食品からミネラルを摂取する場合は、過剰な量を摂取しかねないため、できるだけ日頃の食事からの摂取を心掛けましょう。
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