脂質制限の目安は? メリット・注意点や食事のポイントを解説

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脂質の摂取量を抑える脂質制限は、ダイエット効果が期待できる他、健康にもさまざまなメリットがあるとされています。しかし、脂質制限といっても、完全に脂質を取らないというわけではありません。脂質制限をする場合、一日どの程度を目安に脂質を摂取すれば良いのでしょうか。
本記事では一日に摂取する脂質の目安や脂質制限のメリット、注意点、成功させるための食事のポイントなどを解説します。いくらダイエットや健康のためとはいえ、適切に脂質を摂取しなければ、逆効果になってしまう可能性が高いです。脂質制限を行おうと考えている方は、本記事を参考にして、正しい方法で行いましょう。
| <もくじ>
●脂質とは ●糖質制限との違いは? ●まとめ |
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脂質とは

脂質とは、人間が生きていくために必要なエネルギー源となる三大栄養素の一つです。たんぱく質や糖質とともに、エネルギー産生栄養素に分類されます。
脂質は1g当たり9kcalあり、エネルギー産生栄養素の中で、最もカロリーが高いのが特徴です(※1)。そのため、たんぱく質や糖質よりも効率良くエネルギーを作り出せます。
細胞膜を構成する主要な成分でもあるので、神経組織や臓器を保護するためにも脂質は欠かせません。油に溶ける性質を持つ脂溶性ビタミンの吸収を促す他、ホルモンの原料にもなる栄養素です。ただし、カロリーが高いため、取り過ぎると肥満の原因になります。
脂質を構成する主な成分は脂肪酸です。脂質は化学構造の違いによって、以下のように分類されます。
- 単純脂質(中性脂肪、ロウ)
- 複合脂質(リン脂質、糖脂質、リポタンパク質)
- 誘導脂質(ステロール類)
(※1)参考:公益財団法人 長寿科学新興財団「三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量」(最終更新日2023-08-17)
脂肪酸とは
前述した通り、脂肪酸とは脂質の主な構成成分です。脂肪酸は炭素・水素・酸素で構成されており、他の物質と結合することで脂質を作り出します。
脂肪酸は常温で固体になる「飽和脂肪酸」と、常温で液体になる「不飽和脂肪酸」に分類できます。代表的な飽和脂肪酸は、バターやココナッツオイル、肉や乳製品に含まれる脂、代表的な不飽和脂肪酸は、オリーブオイルなどの植物から抽出された油、魚の油などです。
不飽和脂肪酸はさらに以下のように分類されます。
●一価不飽和脂肪酸(オレイン酸):体内で合成できる
●多価不飽和脂肪酸:体内で合成できない
○ n-6系脂肪酸(オメガ6)
○ n-3系脂肪酸(オメガ3)
不飽和脂肪酸のうち、n-6系脂肪酸やn-3系脂肪酸は必須脂肪酸です。体内で合成できないため、食事で摂取する必要があります。
脂肪酸は人間が健康を維持するために欠かせない物質ですが、飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やす原因となるので、健康を維持するためには摂取を控えることが大切です。
一日に摂取する脂質の目安

脂質は健康を維持するために欠かせない栄養素なので、脂質制限をする場合も、適切に摂取する必要があります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」では、一日の脂質摂取目標量は、一日に摂取するエネルギーのうち20〜30%と示されました(※2)。
一日に必要な推定エネルギー必要量は「基礎代謝量 × 身体活動」レベルで計算でき、年齢・性別・体重・運動量によって変わってきます。以下を参考に、ご自身の一日の脂質の摂取目安を計算してみましょう。
まず基礎代謝量基準値(kcal / kg)に体重(kg)をかけて、基礎代謝量を計算します。
| 年齢 | 基礎代謝量基準値(kcal / kg) | |
| 男性 | 女性 | |
| 1〜2歳 | 61.0 | 59.7 |
| 3〜5歳 | 54.8 | 52.2 |
| 6〜7歳 | 44.3 | 41.9 |
| 8〜9歳 | 40.8 | 38.3 |
| 10〜11歳 | 37.4 | 34.8 |
| 12〜14歳 | 31.0 | 29.6 |
| 15〜17歳 | 27.0 | 25.3 |
| 18〜29歳 | 23.7 | 22.1 |
| 30〜49歳 | 22.5 | 21.9 |
| 50〜64歳 | 21.8 | 20.7 |
| 65〜74歳 | 21.6 | 20.7 |
| 75歳以上 | 21.5 | 20.7 |
(※2)
例えば、30歳の男性で体重が65kgの場合、基礎代謝量は約1,463kcalになります。
次にご自身の身体活動レベルを判定します。身体活動レベルとは、日々の運動量を以下の3つのレベルに分類したものです。
- 低い(レベル1):生活の大半を座って過ごしている。静的な活動が中心
- 普通(レベル2):デスクワークなど座った状態での仕事が中心だが、職場内での移動や立った状態での作業、接客などを行っている。通勤・買い物での歩行、家事、負荷の軽い運動のいずれかを行っている
- 高い(レベル3):立った状態で大半の仕事をしている。もしくは活発に運動する習慣がある
身体活動レベルは、年齢によって以下のように定められています。
| 年齢 | 身体活動レベル | ||
| 低い | 普通 | 高い | |
| 1〜2歳 | – | 1.35 | – |
| 3〜5歳 | – | 1.45 | – |
| 6〜7歳 | 1.35 | 1.55 | 1.75 |
| 8〜9歳 | 1.40 | 1.60 | 1.80 |
| 10〜11歳 | 1.45 | 1.65 | 1.85 |
| 12〜14歳 | 1.50 | 1.70 | 1.90 |
| 15〜17歳 | 1.55 | 1.75 | 1.95 |
| 18〜29歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
| 30〜49歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
| 50〜64歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
| 65〜74歳 | 1.50 | 1.70 | 1.90 |
| 75歳以上 | 1.40 | 1.70 | – |
(※2)
前述した通り、一日中に必要な推定エネルギー必要量は「基礎代謝量 × 身体活動レベル」で計算します。
例えば、基礎代謝量が約1,463kcalの男性で、身体活動レベルが普通の場合、一日に必要な推定エネルギー量は、約2,560kcalになります。一日の脂質の摂取目標量は、一日に摂取するエネルギーの20〜30%ですから、この場合512〜768kcalを脂質で摂取する計算です(※2)。脂質は1g当たり9kcalなので、57〜85g程度を脂質で摂取することになります。
ただし脂質制限をする場合、一日の摂取エネルギー量のうち、脂質で摂取するエネルギーを20% にするのが理想とされています。そのため、基礎代謝量が約1,463kcalの男性で、身体活動レベルが普通の場合は、「512kcal = 約57g」を脂質の摂取目安にすると良いでしょう。
(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025 年版)」(入手日付2025-02-14)
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脂質制限のメリット

ここからは、脂質制限を行う3つのメリットをご紹介します。
摂取カロリーの削減
脂質制限を行うメリットの一つは、摂取カロリーの削減です。
前述した通り、脂質は1g当たり9kcalで、他のエネルギー源であるたんぱく質や糖質に比べると高カロリーです。脂質制限を行って、必要なエネルギーを他の栄養素で補えば、摂取カロリーを減らせます。
糖質を制限する必要はないので、ご飯やパンなどの主食を減らすことなく、体重を減らせるでしょう。
血中の中性脂肪・コレステロールの増加防止
血中の中性脂肪・コレステロールの増加防止効果が得られることも、脂質制限のメリットです。
脂質を取り過ぎると、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールが増加し、数値が一定以上になると、生活習慣病の一つである「脂質異常症」になります。脂質異常症は、動脈硬化や心筋梗塞、脳出血、脳梗塞などのリスクを高める原因です。
脂質制限を行うことで、血中の中性脂肪・コレステロールの増加を防げるので、病気のリスクが軽減します。また脂質異常症の他、糖尿病や高血圧のリスクを高める肥満の予防にもなるため、生活習慣病予防にもつながるでしょう。
満腹感を得られる
満腹感を得やすいことも、脂質制限ダイエットのメリットの一つです。
満腹感を得るためには、食事によって血糖値を上昇させる必要があります。血糖値は糖質の摂取によって上昇しますが、前述した通り、脂質制限では糖質を多く含む主食を制限する必要がないので、満腹感を得やすいです。
食事量を減らす食事法は、空腹の辛さに負けて挫折してしまうことがありますが、脂質制限なら無理なく続けやすいでしょう。種類を選べば肉や魚も食べられるため、食事の満足度も得やすいです。
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脂質制限の注意点

脂質制限を行う際は、これからご紹介する2つの注意点を押さえておきましょう。
調理方法の工夫が重要
脂質制限を行う際は、調理方法を工夫することが重要です。
いくら低脂質の食材を使用するとしても、油を使って炒めたり揚げたりする調理法では、脂質の摂取量を抑えられません。脂質を抑えるためには、油の使用を控え、蒸す・煮る・茹でるといった調理方法を中心にするのがおすすめです。
油を使わない調理方法だけで献立を考えるのが難しい場合は、オリーブオイルやエゴマ油、キャノーラ油などを使用すると良いでしょう。また肉を調理する際は、下茹でや湯通しを行い、脂を落とすことが大切です。
ビタミン欠乏症のリスク
脂質制限にはビタミン欠乏症のリスクがあることも、理解しておきましょう。
ビタミンは油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンと、水に溶けやすい性質を持つ水溶性ビタミンがあります。脂質制限を行って油の摂取量が減ると、脂溶性ビタミンを効率良く吸収できません。
脂溶性ビタミンに分類されるのは、ビタミンA・D・E・Kです。例えばビタミンAが不足すると、皮膚が乾燥しやすくなる他、暗いところでものが見えにくくなる恐れがあります。ビタミン欠乏症を防ぐために、過度な脂質制限は避けるようにしましょう。
脂質制限をし過ぎると、エネルギー不足に陥って疲れがなかなか回復しなかったり、倦怠感をおぼえたりすることもあります。また脂質は細胞膜を構成しているので、極端な脂質不足は肌荒れが起こる原因にもなりやすいです。
糖質制限との違いは?

脂質制限と糖質制限の違いは、制限する栄養素が異なることです。
解説してきた通り、脂質制限は脂質の摂取を制限します。一方糖質制限は、糖質の摂取量を制限する食事法です。
脂質制限は脂身や油を控える必要がありますが、主食を減らす必要はありません。ご飯やパンの食事制限が苦痛な方でも、ストレスなく取り組めるでしょう。
糖質制限はご飯やパンなどの主食を制限する必要があります。ただしおかずの調理法や量は制限する必要がないため、食事の満足感を高めたい方におすすめです。また脂質制限と比較すると、短期間で減量効果が得やすい傾向にあります。
「早く痩せたい」という方の中には脂質制限と糖質制限を同時に行ってしまう方もいますが、エネルギー源である脂質と糖質をどちらも制限すると、エネルギー不足になりやすいです。どちらも行いたい場合は同時に行うのではなく、交互に行いましょう。
脂質制限を成功させる食事のポイント

脂質制限を成功させるには、食事でどのようなポイントを意識すれば良いのでしょうか。脂質制限を成功に導く食事のポイントを5つご紹介します。
主食と主菜・副菜のバランスを取る
脂質制限を成功させるには、主食と主菜・副菜のバランスを取りましょう。
脂質制限を行うといっても、栄養バランスの取れた食事を行うことが基本です。主食の炭水化物に、肉や魚を使った主菜、野菜やきのこ類をふんだんに取り入れた副菜を組み合わせた食事は、栄養バランスを取るのにおすすめの献立です。
ダイエットのために脂質制限を行う場合、カロリーを必要以上に抑えてしまう方がいます。しかし、摂取カロリーが必要以上に少ないと、筋肉を分解してエネルギーを確保しようとするので、基礎代謝が落ちやすいです。健康的に痩せるためにも、主食・主菜・副菜をそろえて、バランスの良い食事を意識しましょう。
脂質の少ない食品を選ぶ
脂質の少ない食品を選ぶことも、脂質制限を成功させるには重要なポイントです。
脂質の少ない食品には、以下のようなものがあります。
- 鶏ささみ
- 豚ヒレ肉
- 貝類
- エビ
- イカ
- タコ
- かつお
- たら
- きゅうり
- れんこん
- なす
- きのこ類
- 水菜
- 低脂肪ヨーグルト
- 低脂肪牛乳
肉類は比較的脂質が多いですが、前述した通り、脂身や皮を取り除くことで脂質が抑えられます。
ただし前述した通り、脂質制限中でも脂質を完全に断つのはNGです。サンマやイワシなど、良質な脂質を含む青魚を献立に取り入れると良いでしょう。
油を使用しない調理を心掛ける
脂質制限を成功させるためには、脂を使用しない調理を心掛けることも大切です。
前述した通り、脂質制限中の調理法は、蒸す・煮る・茹でるが基本です。ただしこれらの調理法だけでは、料理のバリエーションが少なくなるので、網焼きをしたり、油を使わなくても焦げ付きにくいフッ素加工のフライパンを使用したりすると良いでしょう。
またドレッシングなどの調味料にも、油が含まれているものが多いです。せっかく脂質が少ない食材を使っても、油が入った調味料をふんだんに使うと脂質を取り過ぎてしまいます。ドレッシングはノンオイルのものを選び、その他の調味料も成分をチェックしましょう。
油を使わない調理を心掛けることで、食材で摂取する脂質を大幅に制限する必要がなくなるので、満足感の高い食事になりやすいです。
油を使うなら不飽和脂肪酸を選ぶ
脂質制限中に油を使用する場合は、不飽和脂肪酸を選ぶことも重要です。
不飽和脂肪酸の油には、オリーブオイルやエゴマ油、キャノーラ油、亜麻仁油などがあります。バターやラードといった飽和脂肪酸を使用すると、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールが増えてしまいやすいので、避けるようにしてください。
なるべく自炊をする
脂質制限を成功させるには、なるべく自炊をするようにしましょう。
外食やコンビニなどのお弁当は、油を使って調理されたものが多いです。また一見脂質が少なそうに見える料理でも、どのように調理されているかは分かりません。
脂質制限でダイエットを成功させたり、健康状態を改善したりしたいなら、なるべく自炊をして、ご自身で脂質の摂取量をコントロールすることが大切です。
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脂質制限中、自炊でバランスの良い食事を続けるのは大変だと思います。汁物をフリーズドライの具だくさんスープや味噌汁に置き換えるだけで手軽に1品が用意できるので、無理せず頑張りたい方はぜひ試してみてください。
食事以外に意識したいポイント

ダイエットや健康状態の改善を目指すなら、食事以外にも意識したいポイントがあります。これからご紹介する2つのポイントも押さえておきましょう。
適度に運動する
減量したい場合でも、健康を維持したい場合でも、適度な運動は必要不可欠です。
適度に運動することで、脂肪を効率良く燃焼できるようになります。脂肪の燃焼におすすめなのは、ウオーキングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動です。
いきなりハードな運動をすると、挫折してしまいやすいです。けがのリスクも高くなるので、ご自身の運動習慣に合わせて、無理なくできるものを取り入れてみましょう。
十分な睡眠を取る
脂質制限中は、十分な睡眠を取ることも重要です。
睡眠不足になると、日中に活動するエネルギーが不足し、集中力も低下しやすいです。また睡眠不足になると自律神経が乱れ、生活習慣病を引き起こしやすくなります。加えて、食欲を抑制するホルモン「レプチン」が減少し、食欲を増進するホルモン「グレリン」が増加して、食欲をコントロールしにくくなるため、脂質制限にも影響が出てしまうでしょう。
十分な睡眠を取るためには、適切な睡眠時間の確保に加え、睡眠の質を高めることも大切です。睡眠の質を高めるために、規則的な生活リズムを心掛け、朝起きたら朝日を浴びて、体内時計を整えましょう。また就寝2〜3時間前 に、38〜40度程度 のぬるめのお湯で、ゆっくり体を温めるのも効果的です。適度な運動も、睡眠の質向上に効果が期待できます。
まとめ
脂質制限はダイエット効果が期待できる他、健康を改善して、生活習慣病を予防する効果も見込めます。脂質制限を行う場合は完全に脂質を断つのではなく、質の良い脂質を中心に適切な量の脂質を摂取することを意識しましょう。ご紹介した食事のポイントや食事以外のポイントも参考に、正しく脂質制限に取り組んでみてください。
脂質制限中でも、栄養バランスを考えた食事を取ることは大切です。手軽に栄養をしっかり摂取したいなら、アスザックフーズのフリーズドライ食品や乾燥食材もご活用ください。脂質の少ないきのこを使ったスープや、お味噌汁なども豊富に取りそろえています。自炊の手間を省きたい方にもおすすめです。
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