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高齢者の食事の注意点とは?

高齢者は身体機能が低下する傾向にあるため、歩くのが億劫になったり、運動が困難になったりすることがあります。このような変化は食事にもいえることです。

高齢になると、食事を吐いてしまったり、食べ物を飲み込めずにむせてしまったり、食欲が出なかったりとさまざまなお悩みに直面するでしょう。本記事では、高齢者の食事に関する注意点や摂取したい栄養素、調理のポイント、高齢者の孤食問題などを解説します。

<もくじ>

高齢者の食事に関する3つの注意点

注意点①高齢者の身体機能の低下

味覚が鈍感になってしまう

食べ物をかむ力が弱くなる

食べ物がのどに詰まりやすくなる

注意点②栄養バランスが偏りやすくなる

高齢者の食事の栄養バランスが偏りやすい理由

注意点③口を使って栄養を摂取するように気をつける

高齢者の食事で食べやすいもの・食べにくいもの

高齢者が食べやすいもの

高齢者が食べにくいもの

高齢者にとって食べやすくするための調理法

調理法①かみやすくする

調理法②飲み込みやすくする

高齢者の食事に適しているものとは?

高齢者に必要な食事量

高齢者に必要な栄養素

栄養は取りすぎも注意!

高齢者の食事の悩み

悩み①吐いてしまうことがある

悩み②食べ物を飲み込めずにむせてしまう

悩み③栄養不足による体調不良

悩み④食欲不振

高齢者の食欲を改善する方法

方法①食事の環境を変えてみる

場所を変える

時間を変える

1人で食べるのをやめる

方法②食事の内容を変えてみる

味付けを変える

本人の好きな食事を出す

盛り付けを変える

調理方法を変える

食事介助時のチェック項目

①目が覚めているか

②正しい姿勢で食べているか

③口腔内が清潔かどうか

④食事環境は適切か

高齢者の孤食問題について

1人で食事をしている高齢者は多い

孤食は健康リスクにつながる

誰かと食事をして孤食を回避

高齢者の食事は周りのサポートも重要

高齢者の食事に関する3つの注意点

高齢者の食事に関する3つの注意点

高齢者の食事に関する注意点は次の3つです。

  • 高齢者の身体機能の低下
  • 栄養バランスが偏りやすくなる
  • 口を使って栄養を摂取するように気をつける

それぞれの注意点について詳しく解説します。

 

注意点①高齢者の身体機能の低下

高齢者の食事は身体機能の低下についての注意が必要です。高齢者の身体機能の低下といえば、足腰などの機能低下を思い浮かべるかもしれませんが、実は、食べるために欠かせない、かむ力や飲み込む力も低下していきます。まずは高齢者になると、食に関してどのような機能が低下するかをみていきましょう。

味覚が鈍感になってしまう

高齢者は味覚が鈍感になってしまいがちです。味を認識するのは、舌の表面と口内にある味蕾という部位です。年齢が進むと味蕾の数は減少していくものとされているため、味覚が落ちるのは老化の一つといえます。また服用している薬の副作用によっても、味覚が鈍くなるケースがあります。例えば、高血圧治療に用いられる降圧剤や糖尿病治療に用いられる糖尿病薬などです。(※1)

味覚が鈍感になると、通常の味付けでは物足りなく感じてしまうかもしれません。その結果、濃い味を好むようになってしまいます。

また味覚が鈍感になってしまったことで、食事が楽しくなくなり、食欲の低下につながるケースもあります。

参考:日本老年医学会雑誌 57「味覚のサイエンス ~加齢と味覚の関係~」(入手日付2023-10-29)
(※1)参考:一般社団法人 日本訪問歯科協会「飲み薬と味覚障害」(入手日付2023-10-31)

 

食べ物をかむ力が弱くなる

高齢になることで弱くなってしまうのがかむ力です。高齢者のかむ力は40歳~60歳の壮年期と比べるとの3分の1から10分の1にまで低下するとされています。 前歯はかみ切る力が、奥歯はかみ砕く力が低下してしまいます。

このように高齢になるとかむ力が弱まるのは、虫歯や歯周病などによって歯の本数が減ることだけが理由ではありません。顎の筋力が弱まることなどから、かむ力が弱くなってしまいがちです。

また地域との交流が減少し、会話をする機会が減ってくると、口や顎を使用する頻度も減っていってしまいます。

かむ力が弱くなってしまった場合、柔らかい食べ物ばかり食べるようになり、悪循環が生まれてしまう可能性があります。顎の筋肉を使わないことで、どんどん硬い食べ物をかみ切れなくなってしまうでしょう。

※参考:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「高齢者の摂食嚥下(せっしょくえんげ)機能に影響する要因」(入手日付2023-10-29)

 

食べ物がのどに詰まりやすくなる

高齢になると口の中の唾液量が減少するため、食べ物を口内で上手にまとめにくくなります。これにより、食べ物がのどに詰まりやすくなってしまうケースが考えられます。

また飲み込む力が低下してしまうため、食べ物や飲み物が気道に入り込んでしまうと、誤嚥につながる可能性があります。誤嚥は肺炎の原因になり、体力が落ちている高齢者にとっては命に関わる事態になりかねません。

特に次のような食べ物は、高齢者ののどに詰まりやすいとされています。

  • おもち
  • 刺身
  • 海苔
  • わかめ
  • こんにゃく

海苔のように口に張り付く食べ物はむせる、喉に詰まるといった可能性があります。こんにゃくはのど越しがよいため、一見誤嚥しないように思えるかもしれません。しかし、するりと飲み込めるため勢いに任せて飲み込んでしまい誤嚥につながる恐れがあります 。特に細かくせず大きいままで食べてしまうと、誤嚥につながる恐れがあります。特に細かくせず大きいままで食べてしまうと、誤嚥につながる恐れがあります。

※参考:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「高齢者の摂食嚥下(せっしょくえんげ)機能に影響する要因」(入手日付2023-10-29)

 

注意点②栄養バランスが偏りやすくなる

高齢になると栄養バランスが偏りやすくなってしまいます。具体的には次のような栄養が不足してしまう可能性があります。

  • タンパク質
  • ビタミン
  • ミネラル
  • 食物繊維

栄養が不足してしまわないために、主食、主菜、副菜を一日3食しっかりとるようにしましょう。

高齢者の食事の栄養バランスが偏りやすい理由

高齢者の食事の栄養バランスが偏りやすくなってしまう理由は、味の好みの変化によるものです。一般的に味覚は年齢とともに変化していき、高齢になるとさっぱりとした味を好むようになりがちです。

また、食事に手間をかける機会も減るため、パンやお茶漬けなどの簡素な料理になってしまいます。家族と住んでいれば誰かが作った食事を食べる機会がありますが、一人暮らしになるとより自分が食べたい物、食べられる物だけの食事になってしまう可能性があります。

上述したように、かむ力が弱まることで、硬いものや繊維質のものを食べなくなることも栄養バランスの偏りの原因となるでしょう。

 

注意点③口を使って栄養を摂取するように気をつける

高齢者に限らず、人間が栄養を摂取する方法は、口を使う以外にも点滴によって摂取する、サプリメントで摂取するといった方法が挙げられます。しかし栄養を摂取するのが目的であれば、できるだけ口を使うようにしましょう。特に高齢者の場合は口を使って栄養を摂取することが大切です。

口を使うのは栄養を摂取するためだけではありません。口を使うことで顔の筋肉や口の中の筋肉を鍛えられます。その結果、誤嚥を招く可能性を防げます。誤嚥を起こす原因は食べ物だけではありません。自分の唾液でも誤嚥になる可能性があるため、普段から口を使うようにしましょう。

また口から栄養を摂取することには、次のようなメリットもあります。

  • 五感のうち、視覚・味覚・嗅覚が刺激されるため生活の喜びを得られる
  • かむことで唾液が分泌され口腔内環境が整う
  • 食べ物をとりこむことで消化機能が活発化される
  • かむ、飲み込むといった行動が脳に刺激を与え、認知症の予防につながる

 

高齢者の食事で食べやすいもの・食べにくいもの

高齢者の食事で食べやすいもの・食べにくいもの

高齢者が食べやすいものはミンチ状のハンバーグやつくね、ポタージュ状のカレーやシチューなどです。一方、高齢者が食べにくいものは硬い生野菜や弾力のある食べ物など、かみにくいものです。ここでは高齢者が食事で食べやすいもの、食べにくいものを紹介します。

高齢者が食べやすいもの

高齢者が食べやすいものとして挙げられるのは以下のとおりです。

状態 食材や料理
ミンチ ハンバーグ、つくねなど
ポタージュ カレー、シチュー、ポタージュスープなど
ゼリー状 ゼリー、煮こごりなど
乳化状 ヨーグルト、アイスクリームなど
かゆ状 おかゆ

ポイントは、しっかりかまなくても食べられる点です。上記の表以外にとろろやプリンなども、高齢者が食べやすいものにあたるでしょう。

 

高齢者が食べにくいもの

高齢者にとって食べにくいものは次のとおりです。

内容 食材や料理
硬い生野菜 キャベツ、きゅうりなど
繊維質の多いもの ふき、ごぼう、セロリなど
弾力があるもの パン、スパゲッティなど
かみにくいもの(硬い・薄い) 煎餅、厚みのある肉、梨など
のどに詰まり、口の中に張り付くもの のり、わかめ、もちなど
酸味の強いもの レモン、酢の物など
スポンジ状のもの がんも、はんぺんなど
ボソボソとするもの 蒸かし芋、そぼろなど

高齢者にとって硬いもの、繊維質なもの、のどに詰まりやすいものは食べにくいでしょう。またスポンジ状のもの、ボソボソとするものは、少ない唾液を奪ってしまい、飲み込みづらく感じるかもしれません。さらには、酸味の強いものはむせやすく、誤嚥につながる可能性があります。
例えば、主食である白米や雑穀米には炭水化物(糖質)が含まれているため、エネルギーの源となります。主食以外の主菜・副菜・汁物にも、次のように、健康に欠かせない栄養素が含まれています。

 

高齢者にとって食べやすくするための調理法

高齢者にとって食べやすくするための調理法

ここでは高齢者にとって食べやすくする次のような調理法をご紹介します。

  • かみやすくする
  • 飲み込みやすくする

 

調理法①かみやすくする

高齢者が食べにくいものは、かみやすくしてあげましょう。かみやすくする方法は食べ物によって異なります。それぞれの食べ物に応じた方法の例は以下の通りです。

  • 肉、魚:1口サイズにカットする
  • 厚めの肉:ミートハンマーで薄く伸ばす、脂身に切れ目を入れる
  • 硬い野菜:皮を剥く、切れ目を入れる、長時間茹でる

特に硬い野菜を茹でる際や時短をしたい際は、下準備として電子レンジにかけておくと、よりスピーディに柔らかくできます。

かむ力が弱くなっている高齢者に対しては、食事を細かく刻んだ刻み食も適しています。しかし、あまりに細かく刻んでしまうと今度は口腔内で食事をまとめづらくなってしまうかもしれません。そのため大きさを調整することは大切です。

 

調理法②飲み込みやすくする

高齢者が苦手な食べ物を調理する際は、飲み込みやすさを意識しましょう。飲み込みやすくするには長時間煮込む必要があります。煮込む際の目安は歯茎で潰せるかどうかです。

基本的には、煮崩れするほど煮込むとよいでしょう。そこまで煮込む時間がないという場合は、ミキサーを使って細かくするのもおすすめです。また、片栗粉やとろみ剤で食べ物にとろみを付けるのも、飲み込みやすくする方法の一つです。とろみをつけすぎると口や喉にはりついてしまい、喉につまる恐れがあるので注意が必要です。 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会では、とろみは大きく次の3種類に分類しています。

  • 薄いとろみ:スプーンを傾けるとスムーズに落ちる
  • 中間のとろみ:スプーンを傾けるとトロトロと落ちる
  • 濃いとろみ:スプーンを傾けても落ちにくいどの程度のとろみが適しているかは、医師をはじめとした専門家に相談してみましょう。

※参考:日本摂食・嚥下リハビリテーション学会「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2013」P9(入手日付2023-10-29)

 

高齢者の食事に適しているものとは?

高齢者の食事に適しているものとは?

高齢者の食事を考えるうえでは、どれだけの量が必要なのか、どのような栄養素が必要なのかを把握しておくことが大切です。

 

高齢者に必要な食事量

高齢者(65歳以上)に必要な食事量は次のとおりです。 (※2)

性別 男性(kcal/日) 女性(kcal/日)
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
65~74歳 2,050 2,400 2,750 1,550 1,850 2,100
75歳以上 1,800 2,100 —- 1,400 1,650 —-

上記の表のとおり、75歳以上の身体活動レベルが低い男性であっても1,800kcalものエネルギーが必要です。

(※2)参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」P91(入手日付2023-10-12)

 

高齢者に必要な栄養素

高齢者に限らず、人間が健康に生活していく上では、さまざまな栄養素が必要です。中でも高齢者の場合、骨を作り出すのに必要なカルシウムが不足してしまいがちです。カルシウムが不足してしまうと、骨が弱くなってしまうだけでなく、高血圧の原因にもなりかねません。(※3)

カルシウム以外にも高齢者は次のような栄養素が不足しがちです。

  • たんぱく質
  • ビタミンD

たんぱく質が不足してしまうと、疲れがたまりやすくなる可能性があります。

また、カルシウムの吸収に必要なビタミンDの不足は、骨の不調につながります。ビタミンDは、太陽光を浴びることで体内に生成されるため、摂取するには食事はもちろん、日光浴も欠かせません。

高齢者の場合、外出する機会が減ってしまう傾向にあります。ビタミンDを生成するためにも積極的に日光浴をするようにしましょう。 (※4)

(※3)参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧」(入手日付2023-10-31)
(※4)参考:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』「ビタミンD」(入手日付2023-10-31)

 

栄養は取りすぎも注意!

栄養の取りすぎには注意が必要です。例えば、味覚が変化したことで濃い味を好むようになってしまうと、塩分やカロリーの高いものを食べるようになります。しかし、高齢者は筋力や神経伝達の低下によって運動量が若者より低下してしまいがちです。そのため、塩分やカロリーが高いものを食べても消費しきれなくなってしまいます 。

健康を維持するためにも栄養は偏ることなく、バランスよく取るようにしましょう。

 

高齢者の食事の悩み

高齢者の食事の悩み

高齢者やその家族の中には、食事について悩みを抱えている可能性があります。食事についての悩みを解消することで、もっと食事を楽しめるでしょう。

ここでは次のような高齢者の食事の悩みについて解説します。

  • 吐いてしまうことがある
  • 食べ物を飲み込めずにむせてしまう
  • 栄養不足による体調不良
  • 食欲不振

 

悩み①吐いてしまうことがある

高齢者の中には食事を吐いてしまう人もいます。食事を吐いてしまう原因は食べてすぐ横になることで、胃酸が逆流しやすくなっているためです。食事を吐かなくするためにも、食後はすぐに横にならずに1~2時間は座ったままでいましょう。食事をしっかりとかんで味わうことも逆流の防止策です。また、消化器に負担をかけないためにもごはんや豆腐、脂肪の少ない魚など消化がいい食べ物を用意するのも大切です。 冷たい食べ物や刺激の強い食べ物などは胃に負担をかけてしまいます。

高齢者が食事を吐いてしまう理由が胃酸の逆流ではない場合、大きな病気が潜んでいる可能性があるため、注意が必要です。吐き気に加えて、頭痛や耳鳴り、腹痛を訴えているのであれば次のような病気の可能性があります。

吐き気+頭痛、耳鳴り 脳梗塞、くも膜下出血、メニエール病など
吐き気+腹痛 急性胃腸炎、十二指腸潰瘍など

激しい嘔吐や繰り返し嘔吐するようであれば、病院を受診しましょう。

 

悩み②食べ物を飲み込めずにむせてしまう

高齢者は食べ物をうまく飲み込めずにむせてしまうことがあります。食べ物をうまく飲み込めなくなってしまうのは、飲み込む力が弱まっているためです。飲み込む力が弱くなっていると、本来であれば食道に送り込むはずの食事を気管に送ってしまい、むせてしまうのです。

このように食べ物を飲み込む力を嚥下と言います。高齢者は嚥下機能が低下しているため、嚥下障害になってしまう恐れがあります。

嚥下障害は誤嚥性肺炎につながるだけでなく、食欲の低下にもつながりかねません。嚥下機能が低下していることで、一回の食事に時間がかかるようになります。そのため、次第に食事に疲れを感じるようになり、食欲が低下する恐れがあります。結果として、体重の減少や栄養失調などになりかねません。

 

悩み③栄養不足による体調不良

高齢者の中には食事によって栄養を取れず、体調不良になってしまう人もいます。例えば、筋肉を作り出すのに必要なタンパク質が不足してしまうと、筋肉量の減少につながります。筋肉量の減少は身体機能にも影響を及ぼしかねません。身体機能が低下したことで活動量、基礎代謝も低下し、食欲も落ちてしまいます。その結果、さらに栄養不足状態に陥ってしまうのです。

このように、加齢にともない筋肉の量や筋力が減少した状態のことを「サルコペニア」といい、サルコペニアが進行していくと寝たきりの状態になってしまいます。筋肉の量は年齢とともに低下しますが、運動や食事で改善につなげられます。

高齢者の体重が減少してしまった、食事の量が減ってきたという場合はすぐに医師に相談して、状態を診てもらいましょう。

 

悩み④食欲不振

高齢者の場合、食欲が落ちてしまい食事の量が減ってしまうケースがあります。例えば嚥下機能が低下したことで食欲も低下してしまうこと、味が分かりづらくなって食欲が低下してしまうことが考えられます。また高齢になり、胃腸の機能が低下することも食欲不振の原因です。食べ物が胃腸に残る時間が長くなるため、食事をしようとしても食欲が沸かないことがあります。

高齢者が食欲不振になってしまった場合、家族は心配になって無理に食べさせようとするかもしれません。無理に食べさせようとする行動は、高齢者本人にとってプレッシャーになる可能性があるので避けましょう。

なお食欲不振の原因は、十二指腸潰瘍や肝硬変などの病気の可能性があります。高齢者になると、腹痛のような自覚症状を感じづらくなっているため、異変を感じたら早めに病院を受診しましょう。

 

高齢者の食欲を改善する方法

高齢者の食欲を改善する方法

高齢者の食欲を改善するには次のような方法を試してみましょう。

  • 食事の環境を変えてみる
  • 食事の内容を変えてみる

それぞれ詳しく解説します。

 

方法①食事の環境を変えてみる

高齢者の食欲を改善するには、食事の環境を変えてみましょう。 食事の環境を変える具体的な方法は次のとおりです。

  • 場所を変える
  • 時間を変える
  • 1人で食べるのをやめる

それぞれの改善方法についてみていきましょう。

 

場所を変える

食事する場所を変えたことがきっかけで高齢者の食欲が改善する可能性があります。例えば高齢者本人が落ち着く場所や好みの場所で食事を取るという方法が挙げられます。

また、気分転換を兼ねた外食も食欲改善が期待できるでしょう。外食であれば、普段は行かない場所で新しい人と交流することで刺激を得られます。高齢者を外食に誘う際は、本人の志向に合わせることが大切です。人が多い場所、賑やかな場所が苦手な人であれば、静かで少人数の場所で外食する方がストレスを感じないでしょう。

外食が難しい場合は自宅の庭や公園などでお弁当を楽しむだけでも、高齢者の食欲改善が期待できます。

 

時間を変える

家族一緒に食事の時間を設けている場合、高齢者の食事の時間を変えてみましょう。高齢者には独自の体内時計があります。高齢者の体内時計と食事のタイミングにズレが発生してしまうと、食欲不振につながりかねません。そのため、高齢者の食事の時間を変えてみましょう。

高齢者の中には、過去に胃の病気を経験した人もいるかもしれません。過去に胃の病気を経験した人は一回で食べられる量が少なくなってしまいます。1日に複数回に分けて食事をとることで、胃への負担を軽減できます。

高齢者の生活リズムに合わせて食事をしていても、本人に食事を無理強いしては食欲の改善が見込めないかもしれません。その際は高齢者が食事をしたいときに食べるという仕組みも大切です。しかし、栄養が偏ることがないように1日複数回に食事のタイミングを分けるといった工夫を凝らしましょう。

 

1人で食べるのをやめる

1人で食事をしている高齢者は、誰かと食事をすることで、食欲を改善できるでしょう。なぜなら誰かと食事をすることで疎外感や孤独感を解消できるからです。

また食事を通じて誰かと会話をすることで、視覚や味覚、嗅覚だけでなく、聴覚も刺激されます。食事で五感が刺激されることで脳の活性化も期待できるでしょう。

例えば普段1人で食事をしている高齢者であれば、家族と食事をすることで、食欲の改善が期待できます。食欲不振になっている高齢者と食事するご家族の方は、無理に食べさせようとせずに、優しく見守ってあげることが大切です。

家族が遠方にいるため、一緒に食事するのが難しいといった場合は、自治体が実施している高齢者向けの会食サービスの活用もおすすめです。

 

方法②食事の内容を変えてみる

高齢者の食欲を改善するには、食事の環境を変えるだけでなく、食事の内容を変えることも大切です。例えば、次のような取り組みをしてみましょう。

  • 味付けを変える
  • 本人の好きな食事を出す
  • 盛り付けを変える
  • 調理方法を変える

 

味付けを変える

高齢者の食欲改善には本人が好む味付けにしてみるのがおすすめです。その際、注意すべきなのが塩分と味の濃さです。塩分の取りすぎは健康への影響が心配されます。塩分を使用せずに味をはっきりとさせるには、薬味や出汁を使用してみましょう。

また、高齢者の状態によっては市販されている介護食の活用もおすすめです。市販の介護食であればスムーズに食事の準備が可能です。

高齢者の味覚の変化は唾液の分泌を促すことでも対策可能です。唾液が少ないと味覚が分かりづらくなってしまいます。そのため、次の3か所をマッサージして唾液の分泌を促しましょう。

  • 耳下腺
  • 顎下腺
  • 舌下腺

唾液が減少すると食べ物と舌の表面がこすれ合ってしまい、味蕾の機能低下につながりかねません。味覚を維持するためにも、唾液の分泌を促すようにしましょう。

 

本人の好きな食事を出す

高齢者の食欲を改善するのには、本人の好きな食事を出すのもひとつの方法です。食欲改善を目指すのであれば、高齢者が好きな食べ物を中心に献立を考えてみましょう。しかし、すべての食事で本人の好きな物を出していると栄養に偏りが生まれかねません。あくまで、食事に興味を持ってもらうための手段として、好きなものを出しましょう。

 

盛り付けを変える

盛り付けを変えることも高齢者の食欲改善に効果が期待できます。カラフルな食事にすることで見た目がきれいになるため、高齢者の食欲を刺激できます。高齢者の中には白内障になってしまっている人もいるでしょう。

白内障になると食事が黄色く見えてしまう可能性があるため、食欲の低下につながりかねません。そのため、彩の鮮やかな食事が望まれます。

また、大皿に料理が盛り付けられていると、食欲の減退につながりかねないため、小皿に分けて提供しましょう。

食事を盛り付けるお皿や食事を置くテーブルにも工夫を凝らすのがおすすめです。例えば黒や紺の器に白米を盛り付ければコントラストがくっきりとして、視力が低下している高齢者にもわかりやすいでしょう。また、 テーブルクロスに赤や黄色といった食欲を増進させる色を取り入れるのも効果的です。

 

調理方法を変える

高齢者に料理を出すときは加熱時間を長くする、とろみをつけるなどの調理方法を変えてみましょう。高齢者であっても食べやすくすることで、食欲の改善が期待できます。特に煮込み料理は食材の出汁が出るため、風味や旨味の増加にもつながります。

どの程度のとろみをつけるか、どれくらい煮込むかなどは、高齢者の嚥下機能に応じて決めましょう。高齢者の状況に応じて調理方法を変えるのは、多忙だと難しいこともあります。そのような場合は市販の介護食などを活用するのがおすすめです 。作り置きや冷凍保存をしておくのも毎回の調理の手間を軽減可能です。

 

食事介助時のチェック項目

食事介助時のチェック項目

高齢者の中には食事の際に介助が必要なケースがあるでしょう。高齢者の食事を介助する際は、次のようなチェック項目を参考にしながら注意するのがおすすめです。

  • 目が覚めているか
  • 正しい姿勢で食べているか
  • 口腔内が清潔かどうか
  • 食事環境は適切か

それぞれの項目について解説します。

①目が覚めているか

高齢者の食事介助時は、本人の目が覚めているかどうかをチェックしましょう。高齢者本人の目が覚めていなくてぼんやりしたまま食事をしてしまうと、誤嚥の可能性が高まってしまいます。

誤嚥のリスクを減らすためにも食事前に声かけをする、毎食、決まった時間に提供するといった工夫が大切です。

食事の途中で寝てしまう、疲れて口が動かなくなってしまう場合は1回の食事量をへらし、数回に分けて食べさせましょう。

②正しい姿勢で食べているか

高齢者の目が覚めているだけでなく、正しい姿勢で食べているかどうかもチェックが必要です。高齢者が食事をする際の正しい姿勢は、椅子に座って食べられるかどうかで異なります。

椅子に座って食べられる場合は次のような姿勢で食事をしてもらいましょう。

  • 椅子に深く座って、背中を伸ばし、顎をやや引いた状態
  • 椅子は座った際に足が床に着く高さ
  • 腕をテーブルに乗せたときに肘が90度に曲がる

座る姿勢だけでなく、椅子の高さ、テーブルの高さにも気を配る必要があります。

一方、椅子に座れない状態であればベッドに寝て食事をとるのがおすすめです。ベッドで食事をする際はリクライニングによって約30度の角度にしましょう。

また、姿勢によっては、頸椎がまっすぐになってしまいます。頸椎がまっすぐになると胸鎖乳突筋と呼ばれる大きな筋肉に負担がかかり、副交感神経の働きが悪くなって、リラックスしづらくなってしまいます。

首の後ろにタオルやクッションを挟むことで、背中と後頭部とがまっすぐになりません。

 

③口腔内が清潔かどうか

口腔内が清潔でないと食事が進みづらくなってしまうかもしれません。そのため、歯や歯茎、入れ歯は清潔な状態を保つようにしましょう。

口腔内の手入れを疎かにしてしまうと、口内炎ができてしまう、虫歯によってかみ合わせが悪化するなどのトラブルから、食欲減退になりかねません。

高齢者と一緒に住む家族が本人の口腔内をチェックするだけでなく、歯科への診療も必要です。歯科の中には訪問診療を実施している医院もあります。訪問診療を行っている歯科医院であれば、歩行が大変な高齢者でも口腔内の状態を専門家に診てもらえます。

口腔環境が悪化してしまうと食欲の低下だけでなく、誤嚥性肺炎にもつながる恐れがあります。高齢になるとかかりつけだった歯科医へのもとに通う機会も減少してしまうため、口腔環境の悪化が懸念されます。(※5)口腔環境を整えるためにも訪問歯科診療を活用しましょう。

(※5)参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「訪問歯科診療」(入手日付2023-10-31)

 

④食事環境は適切か

高齢者の食事介助をする際は、食事環境が適切かどうかをチェックしましょう。

例えば、テレビやラジオが流れているといった環境では、映像や音に集中してしまって、食べこぼしや誤嚥につながる可能性があります。また、介助者である家族が周囲を忙しく歩き回っていると、高齢者は食事に集中できません。

高齢者の誤嚥や逆流などを防ぐには、集中して食事できるような環境を整えましょう。

 

高齢者の孤食問題について

高齢者の孤食問題について

高齢者の食事には栄養バランスの偏りや身体機能の低下以外にも、孤食という問題があります。孤食とは、家族がいない食卓で、一人で食事をする状態です。

ここでは高齢者の孤食の状況とリスク、改善方法を紹介します。

 

1人で食事をしている高齢者は多い

70歳以上の高齢者のなかには、ほぼ毎日1人で食事をしている孤食の状況にある人が一定数いるとされています。

このように高齢者で孤食の状況にある人が一定数いるのは、一人暮らしの高齢者が増えているためです。一人暮らしをしている人全体のうち、65歳以上の高齢者が占める割合は次のように推移しています。

西暦 男性 女性
1980年 4.3% 11.2%
2010年 11.1% 20.3%
2020年 15.0% 22.1%

さらに、2040年には男性は20.8%、女性は24.5%に達するとされています。

※参考:内閣府 「第1章 高齢化の状況(第1節 3)」(入手日付2023-10-31)

孤食は健康リスクにつながる

孤食がもたらすのは、食事の時間が寂しく感じる、楽しくないなどの心理的なものだけではありません。孤食によって次のような健康リスクが考えられます。

料理を手間に感じて簡単な食事で済ませてしまう
同じようなメニューばかりで栄養バランスが偏り、低栄養状態もしくは肥満になりやすい
他人との会話がないため刺激が減り、食欲不振やうつ病につながる可能性がある

高齢者の場合、他人とコミュニケーションが減少することで、認知症のリスクにもつながりかねません。また、誰かと食事をするのであれば予定を調整するため、前頭葉が関わる実行機能と呼ばれる認知機能を用います。実行機能が働くことで認知機能の維持が期待できます。しかし、孤食は実行機能が働かないため、認知機能の低下につながる恐れがあります。

 

誰かと食事をして孤食を回避

孤食は健康リスクにつながるため、高齢者は誰かと食事をともにする共食が大切です。共食をすることで、栄養バランスが整うだけでなくストレスの軽減が期待されます。特に共食の頻度が増えれば増えるほど効果が期待できるため、高齢者の家族がいる場合は積極的に共食を心掛けましょう。共食は高齢者の食事や栄養を改善するだけではありません。共食によって他人とコミュニケーションを図ることで、認知機能の低下防止も期待されます。

高齢者とその家族が共食をする場合は、毎日食事の時間を合わせるのは難しいかもしれません。そのため、週に数回、一緒に食事をするようにしましょう。

また、地域交流の一環として共食の機会を設けているケースがあります。高齢の家族が遠方に住んでいて、一緒に食事をする機会が少ないという場合は、参加を促してみるのがおすすめです。

 

高齢者の食事は周りのサポートも重要

高齢者は身体機能が低下してしまう、栄養バランスが偏りやすくなるなどの理由から、食事に注意すべき点がいくつもあります。そのため、高齢者は食材や調理方法にこだわって、食べやすく栄養バランスが整った食事をとることが大切です。

しかし、高齢になると、食事の際にさまざまなサポートが必要になる可能性があります高齢者の家族は食事介助や共食を心掛けて、サポートしてあげましょう。

 


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