ダイエットの基本は、栄養バランスのとれた食事です。健康的に痩せるためには、食事制限によって摂取カロリーを抑えつつ、栄養が偏らないようにする必要があります。
過度なカロリー制限や栄養バランスが偏った食事は、リバウンドしやすいだけでなく、太りやすい体質になってしまうリスクがあります。カロリーオーバーにならないか気になる方は、食事法を工夫しましょう。
本記事では、ダイエットに取り組む方が知っておきたい基礎知識や、おすすめの食事法を解説します。
<もくじ> |
食事でダイエットに取り組む前に知っておきたい知識
これからダイエットを始める方が知っておきたい基礎知識は以下の2点です。
- 摂取カロリーを抑える
- 栄養が偏らないようにする
ダイエット中の食事は、取りすぎ・不足のどちらもNGです。厚生労働省も「極端な摂取制限は、リバウンドの恐れがあるだけでなく健康に害を及ぼす」と注意喚起を行っています。
また食事の栄養が偏らないようにすることも大切です。ダイエットに取り組む方は、摂取カロリーを適度に抑えつつ、栄養バランスのとれた食事を意識しましょう。
※出典:e-ヘルスネット「ダイエット」(入手日付2023-12-22)
知識①摂取カロリーを抑える
ダイエットの基本の一つは、摂取カロリーを抑えることです。摂取カロリーを抑えるといっても、食事の量を無理に減らすことを意味するわけではありません。
ダイエットで大切なのは、身体活動で消費するエネルギー(消費カロリー)よりも食事で摂取するエネルギー(摂取カロリー)を少なくすることです。消費カロリーを摂取カロリーが下回れば、自然と体重は減少していきます。
厚生労働省によると、1日の基礎代謝の平均は成人男性で約1,500キロカロリー、成人女性で約1,150キロカロリーです。ここへ、運動やスポーツによる消費カロリーが加わります。適度な食事制限によって摂取カロリーを減らすのが健康的なダイエットのポイントです。
摂取カロリーは食事の量だけでなく、食事の仕方によっても減らすことができます。摂取カロリーを減らす食事法については、後の項目で詳しく解説します。
※参考:e-ヘルスネット「ダイエット」(入手日付2023-12-27)
知識②栄養が偏らないようにする
ダイエットのもう一つの基本は、栄養が偏らないようにすることです。1日の消費カロリーが摂取カロリーを上回るようにしつつ、食事バランスにも気を配りましょう。
農林水産省のガイドブックでは、やってはいけないダイエットの例として、以下の2点を挙げています。
- 特定の食品や栄養素を食べない
- 限られた食品しか食べない
健康的な体を維持するには、三大栄養素やミネラル成分をバランスよく含んだ食事が欠かせません。食事制限によって栄養バランスが偏ると、体を壊したり、健康を害したりするリスクがあります。
※参考:農林水産省「健康的な毎日を過ごすために」(入手日付2023-12-11)
肥満とはどのような状態か
そもそも肥満とは、どのような状態を指すのでしょうか。これからダイエットを始めるに当たって、肥満のメカニズムや種類について学びましょう。
肥満のタイプ
肥満とは、体重が多い状態を指す言葉ではありません。厚生労働省によると、肥満は「体重が多いだけではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態」と定義されます。
脂肪のつき方によって、肥満のタイプも変わります。肥満のタイプによって、健康上のリスクもさまざまです。
肥満のタイプ | 特徴 |
内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満) | 筋肉の内側の腹腔内に脂肪が多く蓄積した状態 |
皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満) | 腰回りや太ももなど、下半身を中心に皮下脂肪が多く蓄積した状態 |
いわゆるメタボリックシンドローム(メタボ)とは、リンゴ型肥満のことを指します。リンゴ型肥満の人は筋肉の内側の腹腔内に脂肪が多く蓄積しているのが特徴で、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常などの健康リスクが高いため、食習慣や運動習慣の見直しが必要です。
一方、洋ナシ型肥満の人はリンゴ型肥満に比べて内臓脂肪は少なく、こうした症状はあまり見られません。肥満になってしまう原因やメカニズムを知って、肥満の治療に取り組みましょう。
※参考:e-ヘルスネット「肥満と健康」(入手日付2023-12-27)
肥満になってしまう原因について
ダイエットの基本は、1日の消費カロリーが摂取カロリーを上回るよう、適度な食事制限に取り組むことだと説明しました。逆に肥満は、1日の摂取カロリーが消費カロリーを上回る状態が続き、体脂肪が過剰に蓄積された状態を指します。
肥満になってしまう原因は、大きく分けて3つあります。
- 食事面
- 遺伝面
- 運動面
原因①食事面
肥満の原因の一つ目は、食事の取りすぎです。食事を通じて摂取するエネルギーは、余分なものが脂肪に変換され、体内に蓄積されます。農林水産省のガイドブックに記載されているように、食事などから摂取するカロリーが、体を維持したり、運動したりして消費するカロリーを上回ると、肥満の原因になります。
また食事の量だけでなく、食べ方も肥満リスクに影響します。例えば、早食いや大食いは、肥満リスクを高める危険な食べ方です。
食べ方 | 肥満リスク |
早食い | 噛む回数が少なくなって、エネルギーが過剰に吸収されやすくなる |
大食い | 脂肪をつくる働きが強まって、エネルギーが脂肪に変換されやすくなる |
食事量を減らしてもなかなか肥満が解消されない方は、日頃の食べ方にも注意してみましょう。
※参考:農林水産省「健康的な毎日を過ごすために」(入手日付2023-12-11)
原因②遺伝面
2つ目の原因は遺伝によるものです。両親から受け継いだ遺伝子によっては、生まれつき肥満になりやすい体質の人もいます。例えば、基礎代謝量が低く、食事で摂取したエネルギーが消費されにくい体質の人です。そうした人は適度な運動習慣を身につけて、1日の消費カロリーが摂取カロリーを上回るようにする必要があります。
ただし、現在は遺伝よりも、生活環境や生活習慣が肥満に与える影響の方が大きいとされています。遺伝的に肥満の人が多い家系でも、実際は家族の食習慣や運動習慣が子どもに受け継がれ、肥満の原因となっているケースも珍しくありません。
※参考:e-ヘルスネット「肥満と健康」(入手日付2023-12-27)
原因③運動面
1日に消費されるカロリーは、どうやって計算すればよいのでしょうか。厚生労働省によると、1日の消費カロリー(推定エネルギー必要量)の計算式は以下のとおりです。
- 推定エネルギー必要量(キロカロリー/1日)=基礎代謝量(キロカロリー/1日)×身体活動レベル
身体活動レベルとは、1日当たりの運動量のことを指します。身体活動レベルは、低い(静的な活動が中心)、ふつう(通勤、買い物、家事、軽いスポーツなど)、高い(活発な運動習慣)の3段階に分けられ、それぞれの係数は以下の表のとおりです。
身体活動レベル | 低い(I) | ふつう(II) | 高い(III) |
係数 | 1.50(1.40-1.60) | 1.75(1.60-1.90) | 2.00(1.90-2.20) |
例えば、1日の基礎代謝量が1,150キロカロリー、身体活動レベルがふつうの人の場合、身体活動レベルの係数の範囲は1.60~1.90のため、1日の消費カロリーは1840~2185キロカロリーが目安となると分かります。
※参考:e-ヘルスネット「肥満と健康」(入手日付2023-12-27)
ダイエット中の方におすすめ食事法10選
ダイエットというと、食事制限やカロリー制限のイメージがあるかもしれません。確かに、1日の摂取カロリーを抑えることは大切です。
しかし、食事制限やカロリー制限は、規則正しい食生活を前提として成り立っています。誤った食事の仕方をしていると、摂取カロリーを制限してもダイエット効果が半減してしまいます。
ここでは、ダイエット中の方が取り入れたい、健康的に痩せるための食事法を10点紹介します。食事の仕方と食べ物の選び方の2つを改善して、ダイエット効果を高めましょう。
食事法 | 大切なこと |
食事の取り方 | ①規則正しい食生活を心掛ける |
②夜遅い時間の食事を避ける | |
③1日の中で摂取カロリーを調整する | |
④食べる順番を意識する | |
⑤食事の際はゆっくり噛むことを意識する | |
食べ物の選び方 | ⑥たんぱく質を多く摂取する |
⑦食物繊維を多く摂取する | |
⑧GI値の低い食品を食べる | |
⑨アルコールの摂取は控える | |
⑩飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は摂取しすぎないようにする |
食事法①規則正しい食生活を心掛ける
ダイエットの成功につながる食事法の一つ目は、規則正しい食生活を心掛けることです。規則正しくとは、食事の間隔が開きすぎないよう、時間を決めて食事を取ることを意味します。
食事の間隔が開くと、体が空腹状態になって、エネルギーの吸収効率が高くなります。その結果、摂取したエネルギーがどんどん脂肪に変換され、肥満の原因になります。
厚生労働省は、健やかな毎日を送る食生活の基本として、栄養3・3運動を紹介しています。栄養3・3運動とは、食事は朝・昼・夕の3食決まったタイミングで、3色食品群に含まれる食品をバランスよく摂取する習慣のことです。3食食品の内訳は以下のとおりです。
- 赤色の食品:肉、魚、卵、大豆、牛乳などの血や肉をつくる食品
- 黄色の食品:ご飯、パン、芋、砂糖、油などの働く力になる食品
- 緑色の食品:野菜や海藻、果物などの体の調子を整える食品
特に最近は朝食を抜いて、1日2食しか食事を取らない人が増えています。先述したように食事の間隔が開くと、脂肪をつくる働きが活発化するため、ダイエットの上ではあまり良い習慣とはいえません。
※参考:e-ヘルスネット「若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題」(入手日付2019-03-04)
食事法②夜遅い時間の食事を避ける
朝食を抜く習慣と同様に気をつけたいのが、夜遅い時間に食事をする習慣です。ダイエットに取り組む方は、夜21時以降の食事はなるべく避けましょう。
労働者健康安全機構によると、遅い夕食がNGの理由は3つあります。
- 昼食と夕食の間隔が開くため、空腹状態になってつい食べすぎてしまうため
- BMAL1の働きが活発化し、脂肪がつきやすくなるため
- 遅い夕食は消化に悪く、翌日の食事量に影響を与えるため
夜21時以降の食事がNGの理由は、夜22時から深夜2時にかけて、BMAL1(ビーマルワン)と呼ばれるたんぱく質の働きが活発化するためです。BMAL1には、エネルギーから変換された脂肪を積極的に溜め込もうとする働きがあります。夜遅い時間の食事が太るといわれる理由の一つはこのためです。
また昼食と夕食の間隔が開くと、空腹感が強まって、早食いになったり食べすぎたりしてしまうかもしれません。遅い夕食は消化にもよくありません。翌日の朝食があまり食べられなくなる結果、空腹感から昼食の食事量が増えて、ドカ食いしてしまうリスクが高まります。
どうしても夕食の時間が遅くなる場合は、以下の2つの方法で対策しましょう。
- BMAL1が活発化しない夕方のうちに軽食を取っておく(おにぎりやサンドイッチ、ヨーグルト、牛乳、バナナなど)
- 夕食は間食の分を差し引いて、食べる量を減らす
夕食は野菜や魚など、脂肪分が少なくカロリーが低いものを中心に取ることをおすすめします。
※参考:労働者健康安全機構「ちょっとした食事のはなし」(入手日付2023-12-11)
食事法③1日の中で摂取カロリーを調整する
ダイエットの一環として、スナック菓子やジュースなどの好物を我慢し、カロリーをなるべく制限しようとする人がよく見られます。ダイエットを成功させるには、適度な食事制限が必要です。しかし、好物を我慢しつづけると、どうしてもストレスが溜まってしまいます。
そこでおすすめなのが、1日の中で摂取カロリーを調整する方法です。カロリーが多い食べ物を食べてしまったら、その分を他の食事から引いて調整しましょう。
参考までに、おやつや間食ごとの摂取カロリーは以下の表のとおりです。
摂取カロリー | おやつ |
0~100キロカロリー | みかんMサイズ1個、ヨーグルト小1個、蒸しまんじゅう小1個、缶コーヒー(190g)1本 |
100~200キロカロリー | カスタードプリン1個、あんパン小1個、スポーツドリンク(500ml)1本、牛乳(200ml)1杯、缶ビール(350ml)1本、炭酸飲料(500ml)1本 |
200~300キロカロリー | ケーキドーナツ1個、バタークッキー3枚、板チョコレート1枚、せんべい大3枚、フライドポテト(Mサイズ)、肉まん1個 |
300~400キロカロリー | ショートケーキ1個、たこ焼き8個、カップラーメン1個 |
400~500キロカロリー | ポテトチップス1袋 |
※参考:e-ヘルスネット「間食のエネルギー(カロリー)」(入手日付2023-12-27)
食事法④食べる順番を意識する
食事の仕方で意識したいのが、食べる順番です。食事をするとき、ついごはんやパンなどの糖質から先に食べていないでしょうか。
近年の研究では、糖質の前に野菜や魚、肉料理を取るようにすると、胃の運動がゆるやかになって、食後の血糖値上昇を改善する効果があることが分かっています。
食後に血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが分泌されます。インスリンは余分なブドウ糖を中性脂肪などに合成し、蓄える働きを促進する働きをするホルモンです。食後の血糖値上昇を抑制し、インスリンの過剰分泌を抑えることで肥満の予防につながります。
血糖値を急激に上昇させない食べ方のコツは、野菜など食物繊維が多い献立から先に食べることです。食物繊維には、小腸の糖質や脂質の吸収を抑制する働きがあるため、食後の血糖値上昇を抑制できます。
また肉料理の前に野菜を食べると、食物繊維の働きによって肉料理に含まれる脂質の吸収も抑制されるため、肥満防止効果も期待できます。食べる順番を工夫するだけで食後の血糖値上昇を抑えられるため、手軽に始めやすいダイエット法の一つです。
※参考:e-ヘルスネット「インスリン」(入手日付2023-12-27)
食事法⑤食事の際はゆっくり噛むことを意識する
食べる順番と同じくらい大切なのが、食事の際にゆっくり噛むことです。咀嚼すると、脳内で神経ヒスタミンと呼ばれる物質が分泌されます。
神経ヒスタミンには、食事行動を司る満腹中枢を刺激し、食欲を抑制する働きがあります。食事の際にゆっくり噛めば、神経ヒスタミンが盛んに分泌されて満腹感が高まるため、食事量を減らすことが可能です。
また咀嚼には、食事誘発性熱産生(DIT)と呼ばれる働きによって、消費カロリーを増やす効果もあります。厚生労働省によると、食事誘発性熱産生とは、「食事をした後、安静にしていても代謝量が増大する」状態を指す言葉です。食事をした後に体がぽかぽか温かくなるのは、この食事誘発性熱産生の働きによるものです。
食事誘発性熱産生は、しっかりと噛んで食事をするほど高くなります。逆によく噛まずに食事をしたり、流動食を取ったりすると、食後のエネルギー消費量はあまり増加しません。
このようにダイエットには、日々の食事の仕方も大きく関わっています。食事量を減らすだけでなく、食事の仕方にも目を向けてダイエットに取り組みましょう。
※参考:e-ヘルスネット「食事誘発性熱産生/DIT」(2023-12-27)
食事法⑥たんぱく質 を多く摂取する
ダイエット効果の高い食品の一つが、たんぱく質を多く含むものです。たんぱく質をたくさん摂取すると、なぜダイエットにつながるのでしょうか。
その理由は、たんぱく質と基礎代謝の関係にあります。たんぱく質は、人間の体の筋肉や骨をつくるための栄養素です。特に筋肉は基礎代謝に大きく影響し、体の筋肉が増えるほど基礎代謝量も多くなるとされています。
ダイエット中にたんぱく質をしっかり摂取することで、食事制限による筋肉量の低下を防ぎ、基礎代謝を維持できます。これまであまりたんぱく質を摂取してこなかった方は、食事の一部をたんぱく質を含む食品に置き換えて、基礎代謝の低下を予防しましょう。
食事法⑦食物繊維を多く摂取する
同様にして、食物繊維が多い食品も積極的に摂取しましょう。食物繊維の摂取量を増やすメリットは3つあります。
- 食物繊維には糖分や脂質の排出を促す働きがあるため
- 食物繊維で食事のかさが増し、満腹感が高まるため
- 食物繊維(特に水溶性食物繊維)を取ると腹持ちがよくなるため
食物繊維を含む食品の代表例が、ブロッコリー、えだまめ、トマトなどの野菜です。野菜には、体にやさしいビタミンやミネラルも多く含まれているため、ダイエット中の食事メニューに取り入れましょう。
食事法⑧GI値の低い食品を食べる
ダイエット効果を高めるには、食べる順番を工夫して、血糖値の上昇を抑えることが大切だと説明しました。食べ物の中には、血糖値の上昇がゆるやかなものもあります。そうした食べ物を低GI食品と呼びます。GI(Glycemic Index)とは、血糖値の上昇しやすさを示す指標のことです。
低GI食品の代表例が、玄米や全粒粉、ライ麦などの未精製の穀物です。玄米が苦手な方は、白米と玄米を2対1の割合でブレンドするだけでも、GI値を下げることができます。
食事法⑨アルコールの摂取は控える
お酒に関するよくある誤解が、アルコールはエンプティーカロリー(体内に蓄積されないカロリー)のため、太りにくいというものです。しかし、お酒のカロリーはアルコール由来のものだけではありません。
例えば、ビールには炭水化物やたんぱく質に由来するカロリーも含まれます。厚生労働省によると、ビールのレギュラー缶(350ml)に含まれるアルコールは約14グラムで、カロリーに換算すると99.4キロカロリーです。
しかし、ビール缶1本当たりのカロリーは約140~180キロカロリーで、アルコール以外のカロリーもたくさん含まれていることが分かります。
お酒を飲むと、糖分や脂質が多いおつまみをついつい食べすぎてしまうのも問題です。ダイエット中はなるべくお酒を我慢するか、糖質ゼロや糖質オフのビールに切り替えましょう。
※参考:e-ヘルスネット「アルコールのエネルギー(カロリー)」(2023-12-27)
食事法⑩飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は摂取しすぎ ないようにする
最後に脂質の中でも、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が多い食べ物はなるべく摂取しないように注意しましょう。
脂質の取りすぎは肥満や生活習慣病の原因ですが、特に動物性脂肪やパーム油などに含まれる飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを増加させる効果があるといわれています。血中の総コレステロール量が増えると、心筋梗塞をはじめとした循環器疾患のリスクが高まるため、飽和脂肪酸を含む食品は取りすぎないように意識しましょう。
またトランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングなどの加工品に含まれる脂質です。トランス脂肪酸には、飽和脂肪酸と同様にLDLコレステロールを増やす働きがあるだけでなく、余分なコレステロールを回収して動脈硬化を抑える働きを持つ、HDLコレステロールを減らす働きがあります。そのため、トランス脂肪酸を多く取りすぎると、冠動脈性心疾患のリスクが高まるとされています。
健康的なダイエットのため、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取を避けるようにしましょう。
※参考:e-ヘルスネット「LDLコレステロール」(入手日付2023-12-27)
※参考:e-ヘルスネット「HDLコレステロール」(入手日付2023-12-27)
【注意】ダイエット中にしてはいけない誤った食事法
ダイエット中にしてはいけない誤った食事法は2つあります。
- 過度なカロリー制限を行う
- 決まったものしか食べない
過度なカロリー制限を行う
ダイエットの基本は摂取カロリーを抑えることですが、過度なカロリー制限はNGです。行きすぎたカロリー制限は、リバウンドのリスクがあるだけでなく、体の基礎代謝が低下して太りやすい体質になってしまう可能性もあります。
厚生労働省によると、過度なカロリー制限を試みる人は、特に20代の女性によく見られます。また30代女性の13.4%、40代女性の10.6%が、肥満度(BMI)が18.5を下回るやせ(低体重)の状態です。
やせの状態になると、貧血、だるさ、疲労感など、さまざまな自覚症状が現れはじめます。それでもカロリー制限を継続した場合、神経性食欲不振症(拒食症)や過食症などの摂食障害に発展し、月経異常、低血圧、不整脈などの健康リスクが高まる恐れもあります。また高齢期になると、運動機能の低下(ロコモティブシンドローム)や虚弱(フレイル)を引き起こし、健康寿命の低下につながるかもしれません。
しかし、過度なカロリー制限を行っても、ダイエット効果は一時的にしか継続しない場合がほとんどです。むしろ過度なカロリー制限は、体の基礎代謝を低下させます。1日の消費カロリーが減少するため、食事量(摂取カロリー)を減らしてもなかなか痩せず、かえって太りやすい体質になってしまいます。カロリー摂取を極端に制限するなど、過度なダイエットは避けましょう。
さらに注意したいのが、カロリー制限が原因となってリバウンドを引き起こすリスクです。せっかく体重を落としたのにもかかわらず、ストレスや過食症が引き金となってリバウンドを起こし、以前よりも太ってしまう人もいます。
厚生労働省によると、一日の基礎代謝量は、成人男性で約1,500キロカロリー、成人女性で約1,150キロカロリーです。一日の摂取カロリーが基礎代謝量を極端に下回ると、過度なカロリー制限に当たる可能性があります。
行きすぎたカロリー制限は百害あって一利なしです。食事の摂取カロリーが1日の消費カロリーを無理のない範囲で下回るよう、適度なカロリー制限に取り組みましょう。
※参考:e-ヘルスネット「若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題」(入手日付2023-12-27)
※参考:e-ヘルスネット「ダイエット」(入手日付2023-12-27)
決まったものしか食べない
また決まったものしか食べない偏食も、誤った食事法の一つです。新聞やテレビでは、特定の食べ物しか食べないダイエット法が紹介されることがあります。
しかし、長期的に見ると栄養の偏りが原因でさまざまな健康リスクを引き起こすため、推奨される食事法ではありません。同じものばかり食べるのではなく、主食・主菜・副菜の3つがそろったバランスの良い食事を取るようにしましょう。
ダイエットに効く食品だけ摂取するのではなく、栄養バランスを意識して献立を考えることが大切です。
ダイエット中に重要な食事以外の習慣
ダイエットを成功させるには、食事以外の生活習慣を改善することも大切です。特にダイエットに与える影響が大きいのが、適度な運動と睡眠です。
先述したようにダイエットの基本は、1日の消費カロリーが摂取カロリーを上回るようにすることです。食事制限によって1日の摂取カロリーを減らすだけでなく、運動習慣によって消費カロリーを増やすことで、ダイエット効果を高められます。まずはジョギングやウォーキング、サイクリングなど、簡単な有酸素運動から始めましょう。
また十分に睡眠時間を確保することも、ダイエットの欠かせない要素の一つです。睡眠の質を高めて、成長ホルモンの分泌を促しましょう。
ここでは、ダイエット中に取り入れたい2つの習慣を解説します。
適度な運動習慣を身につける
まずは適度な運動習慣を身につけましょう。運動習慣といっても、どのような運動から始めたらよいか分からない人もいるかもしれません。
厚生労働省はエネルギー消費につながる運動の例として、ジョギング、ウォーキング、水泳、サイクリング、自転車エルゴメーター(自転車型トレーニング器具)などの有酸素運動を挙げています。まずは無理のない範囲で、自分に合った有酸素運動から始めましょう。
また厚生労働省によると、内蔵脂肪を減少させる上で、運動の種類や強度はあまり重要でないことが分かっています。
大切なのは運動時間(エネルギーの消費量)です。1日に30分の運動を1回行っても、10分の運動を3回行っても、ダイエット効果に大きな差はありません。継続可能な運動種目を選んで、自分のペースで少しずつ運動量を増やしましょう。
※参考:e-ヘルスネット「内臓脂肪減少のための運動」(入手日付2023-12-27)
睡眠時間を確保する
十分な睡眠もダイエットには欠かせません。睡眠中は成長ホルモンが盛んに分泌され、脂肪の分解を促進するといわれています。
厚生労働省によると、健康的な睡眠時間の目安は6~8時間です。ただし適切な睡眠時間には個人差があるため、朝目覚めたときに充足感があるか(睡眠休養感)を一つの基準にして、睡眠時間を確保しましょう。
※参考:厚生労働省「良い睡眠の概要」(入手日付2023-12-27)
ダイエットを続けるモチベーションを保つためには
ダイエットの悩みの一つが、ダイエットを続けるモチベーションを保てないというものです。食事の量を減らしたり、好きな食べ物を我慢したりすると、どうしてもストレスがたまってしまいます。
ダイエットのモチベーションを保つ2つの方法を紹介します。
- ダイエットの目的を立てる
- ダイエットで起こった体の変化を記録しておく
ダイエットの目的を立てる
モチベーションを保つためには、まずダイエットの目的を立てることが大切です。「10kg痩せる」「体重を5%減らす」といった簡単な目標でも構いません。ゴールが明確になることで、ダイエット中に「自分がやっていることは意味があるんだ」と再確認できます。
ダイエットがつらくなったら、なぜ痩せたいのかを思い出しましょう。ダイエットを継続するには、明確な目標と痩せたい理由の2点が必要です。
ダイエットで起こった体の変化を記録しておく
ダイエットを始める前の写真を撮っておき、体の変化を確認することも大切です。正しい食事法を継続すると、ダイエットの効果がだんだん見た目に表れてくるため、やる気アップにつながります。
またウォーキングやランニングを取り入れる場合は、歩数計やアプリで記録を取りましょう。自分の成長が数字で分かるため、運動習慣がなかなか身につかない方におすすめです。
健康的に痩せるには、栄養バランスのとれた食事が大切!
健康的に痩せるためには、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。無理なダイエットは健康に悪いばかりか、余計に太りやすい体質になってしまうリスクもあります。過度なカロリー制限や偏食をせず、食事による摂取カロリーが1日の消費カロリーを下回るよう、適度な食事制限に取り組みましょう。
また夜遅い時間の食事を避け、規則正しい食生活を意識することも大切です。食事の仕方と食べ物の選び方の2点に着目し、正しい食事法を取り入れましょう。
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