脂肪燃焼するには? 仕組みや効果的な方法を解説
健康診断をはじめとして、体脂肪という言葉を耳にする場面は多くあります。体脂肪は体に付いてしまった脂肪のことで、余分に増えると生活習慣病をはじめとするさまざまな病気の原因となります。
なお、体脂肪を燃焼させる体の仕組みのことを「脂肪燃焼」と表すことが多いです。脂肪燃焼につながる方法として挙げられるのが、運動や食事、生活習慣の見直しです。
そこで本記事では脂肪燃焼の仕組みや運動、食事、生活習慣の改善を通じた脂肪燃焼の方法を解説します。
<もくじ>
―皮下脂肪 ―内臓脂肪 ●脂肪燃焼はどのような仕組みで起きるのか |
体脂肪とは?
体脂肪とは体に付いた脂肪を意味します。健康診断などでよく耳にする体脂肪率とは、体重に対してどれくらいの体脂肪が付いているかを示す割合です。
体脂肪と一言でいっても、種類は一つではありません。体脂肪は次の2つに分けられます。
- 内臓脂肪
- 皮下脂肪
それぞれの特徴やリスクについて見ていきましょう。
皮下脂肪
皮下脂肪とは、皮膚の下に位置する「皮下組織」にたまる脂肪のことです。皮下脂肪は、次のような箇所に集中してたまりやすい傾向にあります。
- お腹周り
- 太もも
- 二の腕
いずれも日常的に動かすことの少ない箇所です。皮下脂肪は一度付くと落としにくい傾向にあり、皮下脂肪が過度にたまった状態は皮下脂肪型肥満と呼ばれます。
皮下脂肪は、蓄積しているかどうかを外見から判断しやすい傾向にあるのが特徴です。皮下脂肪が蓄積すると下半身に丸みが出るため、洋なし型肥満とも呼ばれることもあります。このような皮下脂肪が蓄積したことによる肥満は、男性よりも女性に多い傾向にあります。
なお、メタボリックシンドロームの診断基準である腹囲の基準値は男性で85cm以上 、女性で90cm以上です(※1)。皮下脂肪は過剰にたまると、肥満だけでなく、睡眠時無呼吸症候群や関節痛といったリスクにつながる恐れがあります。しかし、皮下脂肪は体温の維持や外からの刺激を守るという役割も担っているため、適度に付いている分には問題ありません。
(※1)参考:厚生労働省.「健康づくりのための運動指針 2006~生活習慣病予防のために~ 」.“(ア)内臓脂肪を減らす必要性”(入手日付2024-03-10)
内臓脂肪
皮下組織に蓄積する皮下脂肪に対して、内臓の周りに付く脂肪が内臓脂肪です。内臓脂肪がたまったことによる肥満は内臓脂肪型肥満と呼ばれ、いわゆる「太鼓腹」のような見た目になるとされています。またお腹がぽっこりと出ている状態のため、りんご型肥満とも呼ばれます。
内臓脂肪が付く理由は運動不足や食生活の乱れ、ストレスなどで、女性よりも男性の方が付きやすいのが特徴です。内臓脂肪は他の脂肪よりも付きやすいものの、落としやすい脂肪でもあります。
しかし、内臓脂肪がたまっていくと高血圧や高血糖、脂質異常症などのリスクにつながる恐れがあります。一見すると太っていると分からなくても内臓には脂肪がたまっている可能性もあるため、食事の改善や運動習慣を見直しましょう。
脂肪燃焼はどのような仕組みで起きるのか
体にたまった脂肪は燃焼されることでエネルギーとして活用されます。このように脂肪をエネルギーに用いるプロセスは脂肪燃焼と呼ばれます。脂肪が酵素によって分解されることで、エネルギーに変換される仕組みです。
人が活動する上ではエネルギーが欠かせません。空腹や運動によって体内のエネルギーが不足すると、膵臓で作られる消化酵素であるリパーゼが脂肪を分解します。分解された脂肪は次の2つに分かれます。
- グリセロール
- 脂肪酸
このうちエネルギーとして使用されるのは脂肪酸です。脂肪酸は血流に乗って全身に運ばれ、エネルギーとして使用されます。
なお、脂肪が燃焼されるのは体内でエネルギーが不足しているときのみです。エネルギーが不足していないときは、脂肪はほとんど燃焼されません。そのため、体にたまった脂肪を燃焼させるには、適切な運動をして体内のエネルギーを消費させる必要があります。
運動による脂肪燃焼・ダイエットを効果的にさせるためのポイント
運動によって脂肪を燃焼させるには次のようなポイントを押さえておきましょう。
-
- 有酸素運動をする
- 筋肉量を増やして基礎代謝を高める
- 筋トレ~有酸素運動の順番で行う
ポイント①有酸素運動 をする
脂肪燃焼のためには有酸素運動を取り入れましょう。運動には有酸素運動と無酸素運動があり、それぞれの違いは次のとおりです。
運動の種類 | 特徴 | 具体例 |
有酸素運動 | 継続的に筋肉への負荷が軽~中程度かかる運動 | 水泳 ジョギングウォーキング サイクリング |
無酸素運動 | 短時間で筋肉への負荷が大きい運動 | 短距離走 筋力トレーニング ウエイトトレーニング |
有酸素運動ではエネルギー源として酸素や糖、脂質が消費されます。また有酸素運動は脂肪が直接的に消費されるだけでなく、体への負荷が無酸素運動よりも少ないため、長期間続けやすいというのもメリットといえます。
有酸素運動のみで脂肪燃焼を図るのであれば、少なくとも週当たり10メッツ・時以上 の運動が必要です(※2)。
メッツとは運動強度を表す単位です。メッツに運動した時間を乗じることでメッツ・時が求められます。例えばやや速いウォーキングの強度は3.8メッツ のため、週に3時間実施すれば、10メッツ・時以上の運動となります(※3)。
有酸素運動は週当たりでどれくらいの有酸素運動をしたかがポイントです。なかなか運動の時間が取れないという人であっても、一日10分から15分ほどの有酸素運動を行うことで、脂肪燃焼が期待できるでしょう。無理に集中して運動するのではなく、適度な運動を可能な範囲で続けていくことが大切です。
(※2)参考:e-ヘルスネット.「内臓脂肪減少のための運動」(入手日付2024-03-10)
(※3)参考:厚生労働省.「健康づくりのための運動指針 2006~生活習慣病予防のために~」.“「3メッツ」以上の運動(身体活動量の目標の計算に含むもの)(入手日付2024-03-10)
ポイント②筋肉量を増やして基礎代謝を高める
筋肉量を増やして基礎代謝を高めることも、脂肪燃焼に効果的です。基礎代謝とは生命活動を続けるために必要な最低限のエネルギーを指します。簡単にいえば、生きているだけで消費されるカロリーのことです。
先述のとおり、筋肉量を増やす筋力トレーニングそのものに脂肪燃焼の効果は期待できません。ただし筋肉量が増えれば基礎代謝として消費するカロリーも増えるため、脂肪燃焼が期待できるでしょう。反対に筋肉量が減ってしまうと基礎代謝が落ちるだけでなく、体温を維持しようと脂肪がたまりやすくなります。また有酸素運動だけを続けていると、体のエネルギーが浪費されないため、脂肪をためてしまうとされています。
基礎代謝を高めることと有酸素運動を比較すると、後者の方が脂肪燃焼に効果的に思えるかもしれません。しかし、基礎代謝は1日の総エネルギー消費量の約6割 を占めています(※4)。そのため、筋肉量を増やして基礎代謝を高めることで太りにくい体づくりにつながります。
基礎代謝は年齢とともに低下していくのが一般的です。そのため、年齢に伴い脂肪が増えてきたと感じる場合は、筋肉量を増やして基礎代謝を高めましょう。
(※4)参考:e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」(入手日付2024-03-10)
ポイント③筋トレ、有酸素運動の順番で行う
脂肪を燃焼する有酸素運動と、筋肉量を増やす筋トレを同じ日にすることもあるかもしれません。そのようなときは、筋トレを先に行いましょう。
筋トレをすると成長ホルモンと呼ばれるホルモンが分泌されます。成長ホルモンは脂肪の代謝に関わる酵素リパーゼを活性化してくれます。その結果、中性脂肪の分解が促進されるため、脂肪を燃焼しやすくなるでしょう。
一方、筋トレ前に有酸素運動を行うと、筋トレ時の成長ホルモンの分泌が抑えられてしまいます。筋トレで得られる中性脂肪の分解が期待できません。そのため、筋トレ、有酸素運動を組み合わせて脂肪燃焼効果を高めるのであれば、筋トレ後に有酸素運動を実施しましょう。
なお筋トレを終えてすぐ有酸素運動をしなくても、筋トレから約6時間後までは脂肪燃焼効果が期待できるとされています。筋トレ後はしっかり休んでから有酸素運動を行い、脂肪燃焼につなげるとよいでしょう。
食事による脂肪燃焼・ダイエットを効果的にさせるためのポイント
脂肪燃焼は運動だけでなく食事からでもアプローチ可能です。食事によって効果的な脂肪燃焼、ダイエットにつなげるためには、次のようなポイントを押さえておきましょう。
- よく噛み、腹八分目の食事量にする
- カロリー制限を行う
- たんぱく質の摂取量を増やす
- ビタミンB群の摂取量を増やす
以下で一つずつ紹介していきます。
ポイント①よく噛み、腹八分目の食事量にする
食事をする際はよく噛みましょう。しっかり噛まずに食べていると、満腹感が得られなくなってしまいます。一方、よく噛んで食べれば、少量であっても満腹感を得やすくなります。これは神経ヒスタミンと呼ばれる物質が関係しているためです。神経ヒスタミンは食べ物を噛んだ際に分泌される物質です。
神経ヒスタミンが満腹中枢に働きかけることで、満腹感を得やすくなります。なお食事中によく噛むことのメリットは、脂肪燃焼だけではありません。食材本来の味を楽しめる、脳に酸素と栄養が送られるため脳細胞の働きが活発になるといった利点もあります。
食事一口当たりに噛む回数は30回が理想とされています。しかし、一口当たり30回も噛むのは難しいかもしれません。そのため、よく噛んで食事をするには、食物繊維を豊富に含む食材や、弾力のある食材を献立に取り入れてみるのがおすすめです。例えば、切り干し大根やイカ、タコなどがおすすめです。
食材だけでなく、食事環境も咀嚼回数と関わります。テレビや新聞を観ながら食事をすると、噛むことに集中しにくくなるかもしれません。何かを観たり読んだりしながら食事するのではなく、家族や友人との会話を楽しみながら食事を取るようにすることをおすすめします。また、食べ物が口に残っている際はスープや飲み物を口にするのは控えましょう。口の中に食べ物が残った状態でスープや飲み物を飲むと、噛まずにそのまま流し込んでしまうためです。
日本歯科衛生士会では一口当たりの噛む回数、水分摂取以外にも次のような方法を推奨しています(※5)。
- 飲み込もうと思ったら追加で10回噛む
- 食べ物の形がなくなるまで噛む
- 先に入っている食べ物を飲み込んでから次の食べ物を口に入れる
- 一口食べたら箸を置く
上記のようなポイントを押さえて、しっかりと噛む週間を心掛けましょう。
(※5)参考:日本歯科衛生士会.「「食べ方」を通した食育の推進 噛ミング30を目指して!」.“よく噛んで食べるための7カ条(入手日付2024-03-10)
ポイント②カロリー制限を行う
また、カロリー制限も脂肪燃焼と関わる重要なポイントです。脂肪燃焼を目指す場合は、摂取カロリーを消費カロリーよりも抑えましょう。
1日にどれだけのカロリーを消費しているのかは、運動量や活動量によって次のとおり 異なります(※6)。
身体活動 | 低(kcal/日) | 中(kcal/日) | 高(kcal/日) | |||
性別 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 |
18~29歳 | 2,300 | 1,700 | 2,650 | 2,000 | 3,050 | 2,300 |
30~49歳 | 2,300 | 1,750 | 2,700 | 2,050 | 3,050 | 2,350 |
50~64歳 | 2,200 | 1,650 | 2,600 | 1,950 | 2,950 | 2,250 |
65~74歳 | 2,050 | 1,550 | 2,400 | 1,850 | 2,750 | 2,100 |
75歳以上 | 1,800 | 1,400 | 2,100 | 1,650 | ー | ー |
なお、脂肪燃焼のためにカロリー制限をする際は、カロリー摂取を過度に控えることは避けましょう。摂取カロリーを制限し過ぎると筋肉や体力の低下につながる恐れがあります。また、急激なカロリー制限は、一時的な脂肪燃焼による減少が期待できます。しかし、通常の食事に戻った際にリバウンドしてしまうかもしれません。健康へのリスクやリバウンドのリスクを回避するには、過度なカロリー制限を心掛けましょう。
(※6)参考:厚生労働省.「各論_1-1_エネルギー」.“推定エネルギー必要量(kcal/日)(入手日付 2024-03-10)
ポイント③たんぱく質の摂取量を増やす
脂肪燃焼のために食事を制限している場合であっても、たんぱく質の摂取量は増やしましょう。カロリー制限によって筋肉が落ちると、基礎代謝が低下してしまい脂肪燃焼につながりません。筋肉を落とさないためにも、筋肉を構成する栄養素であるたんぱく質を多く摂取することが大切です。
たんぱく質の摂取量は以下を目安にしましょう(※7)。
性別 | 男性 | 女性 | ||
年齢 | 推定平均必要量(g/日) | 推奨量(g/日) | 推定平均必要量(g/日) | 推奨量(g/日) |
18~29(歳) | 50 | 65 | 40 | 50 |
30~49(歳) | 50 | 65 | 40 | 50 |
50~64(歳) | 50 | 65 | 40 | 50 |
65~74(歳) | 50 | 60 | 40 | 50 |
75以上(歳) | 50 | 60 | 40 | 50 |
たんぱく質を摂取する際は質にも着目しましょう。良質なたんぱく質は筋肉を成長させるために欠かせません。良質なたんぱく質とは人が体内で作り出せない必須アミノ酸をバランス良く含んだものです。
例えば、動物性の食べ物に含まれる動物性たんぱく質であれば肉や魚、植物性の食べ物に含まれる植物性たんぱく質であれば大豆などが良質なたんぱく質として挙げられます。しかし、肉や魚には脂質も含まれます。そのため、動物性たんぱく質ばかりを摂取するのではなく、植物性たんぱく質もバランス良く摂取しましょう。
また動物性たんぱく質は、腸内に存在する悪玉菌の餌となります。動物性たんぱく質ばかりを摂取していると、カロリーオーバーするだけでなく、腸内環境の乱れにもつながります。人によっては、便秘になってしまうこともあるので要注意です。腸内環境を整えるという意味でも、動物性たんぱく質だけでなく植物性たんぱく質も摂取しましょう。
(※7)参考:厚生労働省.「1―2 たんぱく質」.“たんぱく質の食事摂取基準(入手日付2024-03-10)
ポイント④ビタミンB群の摂取量を増やす
ビタミンB群とは以下の総称です。
- ビタミンB1:豚肉、うなぎなどに含まれる
- ビタミンB2:レバー、納豆などに含まれる
- ビタミンB6:レバー、マグロなどに含まれる
- ビタミンB12:貝類、レバーなどに含まれる
- ナイアシン:魚、レバーなどに含まれる
- パントテン酸:卵、豆類などに含まれる
- 葉酸:モロヘイヤ、ブロッコリーなどに含まれる
- ビオチン:ナッツ類、レバーなどに含まれる
ビタミンB群が担っているのは、酵素を働かせるために必要な補酵素としての役割です。ビタミンB群は補酵素として機能することで、脂質やたんぱく質の代謝を促してくれます。ビタミンB群が不足すると、エネルギーの代謝がスムーズに行われなくなってしまいます。そのため、ビタミンB群不足によって疲労感や倦怠感などが現れるかもしれません。
ビタミンB群の効果を得るのであれば、ビタミンB1、ビタミンB2など可能な限り一緒に摂取しましょう。ビタミンB群はどれか一つだけで効果を発揮しにくく、それぞれが助け合うことで効果を発揮するためです。
なお、ビタミンB群は過剰摂取すると体に変化が現れることもあります。例えばビタミンB6を過剰に摂取することによって、手足のしびれや痛み、神経障害などが現れかねません。適量を摂取するよう心掛けましょう。
生活習慣面での脂肪燃焼・ダイエットのためのポイント
脂肪燃焼は生活習慣からもアプローチ可能です。生活習慣面から脂肪燃焼を目指すのであれば次のようなポイントを押さえておきましょう。
- 入浴時間を確保して血行を良くする
- 睡眠時間を確保する
- 水分不足にならないようにする
以下で詳しく見ていきましょう。
ポイント①入浴時間を確保して血行を良くする
脂肪を燃焼させるにはシャワーだけでなくしっかりとお湯に漬かることが大切です。お湯に漬かると次のような変化が現れます。
- 血管が拡張される
- 水圧によって末端の血液が心臓に押し戻される
上記はどちらも、血流やリンパの流れの改善につながる変化です。血流が改善されれば、基礎代謝の向上による脂肪燃焼が期待できるでしょう。また、リンパの流れが改善されることで老廃物が排出されやすくなります。
十分な入浴時間を確保するためには次のとおり、お湯の温度と湯量に注意しましょう。
- お湯の温度:リラックスして入浴するためにぬるめにする
- お湯の量:肩先が出るくらいにする
入浴前のかけ湯や入浴前後の水分補給も大切です。入浴前に体にお湯をかけることで入浴中の脳卒中や心臓発作を防止できるとされています。また入浴前後に水分を補給すれば脱水症状を抑えられます。長く入浴していると脱水症状や熱中症につながりかねないため、ペットボトルに水を入れて浴室に持ち込むというのも効果的です。
ポイント②睡眠時間を確保する
十分な睡眠時間を確保することで、食欲を抑制するホルモンであるレプチンの減少を抑えられます。一方、十分な睡眠時間が確保できていないとレプチンが減少し、食欲を増進させるホルモンであるグレリンとオレキシンが増加する恐れがあります。
オレキシンの作用として挙げられるのが、覚醒効果です。そのため、十分な睡眠時間が確保できていないと起きている時間が長くなってしまいます。起きている時間が長くなれば間食をする機会も増加するでしょう。
一般的に日本の成人の十分な睡眠時間とされるのは7時間ほどです(※8)。しかし、十分な睡眠を得るためには時間だけでなく、質にも着目しましょう。例えば、起床後に日の光を浴びることで体内時計が調整され、質の高い睡眠につながります。また、寝る2~3時間ほど前に入浴することで、スムーズな睡眠につなげられます。
他にも次のような取り組みによって良質な睡眠が期待できるでしょう。
- 乳製品を多く摂取する:日中に眠気を感じにくくなる
- グリシンを含む食品を摂取する:するめや鶏もも肉などに含まれている
- 就寝の3時間ほど前に軽い有酸素運動をする:脳の温度を下げて寝つきが改善される
睡眠時間だけ意識するのではなく、睡眠の質にも意識を向けることが大切です。
(※8)参考:e-ヘルスネット.「健やかな眠りの意義」(入手日付2024-03-10)
ポイント③水分不足にならないようにする
水分をしっかりと取ることも、脂肪燃焼には欠かせません。水分をしっかりと取れば、血行の改善につながり基礎代謝の向上が期待できます。水分不足にならないためには、1日の排出量と同等の量を摂取することが大切です。
人は1日に排泄物や汗として2.5リットルもの水を排出しているとされています。そのため、次のような割合で排出量と同じだけの水を摂取しましょう(※9)。
- 食事:1.0リットル
- 飲み水:1.2リットル
- 体内で作られる水:0.3リットル
飲み水としての目安である1.2リットルを、1日何回かのタイミングで摂取する必要があります。特に睡眠中には汗や呼気から多くの水分が失われるため、起床後は多めに水を飲みましょう。水で体が冷えてしまうのが気になる人は、白湯を飲むのがおすすめです。
十分な水分補給は脂肪燃焼のために必要ですが、水の飲み過ぎには注意しましょう。水を飲み過ぎると冷えるだけでなく、内臓への負担が懸念されます。また、「水中毒」も過剰な水の摂取によるリスクの一つです。水中毒になると、めまいや頭痛、多尿・頻尿、下痢などの症状が現れます。
(※9)参考:厚生労働省.「健康のため水を飲もう講座 」(入手日付2024-03-10)
脂肪燃焼・ダイエットの始め方
脂肪燃焼やダイエットを始めるにあたっては次のようなステップで進めていくのがおすすめです。
- 自分の体脂肪率を知る
- 目標の体脂肪率を設定する
- 目標達成に必要なエネルギー量を把握する
- 食事と運動のバランスを取りながら習慣化していく
以下で一つずつ紹介していきます。
ステップ①自分の体脂肪率を知る
脂肪燃焼、ダイエットのためには自分の体脂肪率を把握しておく必要があります。体脂肪率は次のような方法で算出します。
- 体脂肪率=体脂肪量(kg)/体重(kg)×100
- 体脂肪量=体重(kg)-除脂肪量(kg)
上記のような計算を用いなくても、体脂肪率は家庭用の体脂肪計で簡単に測定可能です。しかし、体脂肪率は食事や水分によって変動しやすいため同じ条件で測定しましょう。例えば以下のいずれかの条件で測定します。
- 朝食・入浴2時間後~昼食前
- 昼食後2時間〜夕食・入浴前
- 夕食・入浴2時間後〜就寝前
毎回同じ条件で測定していくことで自分の体脂肪率が把握できます。
ステップ②目標の体脂肪率を設定する
自分の体脂肪率が分かったら、目標とする体脂肪率を設定しましょう。一般的に成人男性であれば25%、成人女性であれば30%を超えると、体脂肪率が多いとされます(※10)。
体脂肪率以外にも肥満かどうかを判断する指標としてBMIが挙げられます。BMIは次のような計算で算出可能です。
-
- BMI=体重kg÷(身長m×身長m)
例えば身長173cm、体重70kgの男性の場合、BMIは次のとおりです。
- 70kg÷(1.73×1.73)=23.38(BMI)
BMIが18.5以上25未満であれば普通体重、25以上で肥満、35以上になると高度肥満に分類されます(※11)。
BMIはスムーズに計算できる一方、身長と体重からしか導き出せないため、筋肉量が多いのか体脂肪が多いのかを判断できません。BMIで肥満ではないとされても、体脂肪が付いていて肥満になっている可能性もあります。そのため、自分が肥満なのかどうかはBMIだけでなく体脂肪率も把握して、目標の体脂肪率を設定しましょう。
(※10)参考:e-ヘルスネット.「体脂肪計」(入手日付2024-03-10)
(※11)参考:一般社団法人 日本肥満学会.「あなたの肥満、治療が必要な「肥満症」かも!?」(入手日付2024-03-10)
ステップ③目標達成に必要なエネルギー量を把握する
目標の体脂肪率を設定したら、達成のめにどれだけのエネルギーが必要なのかを把握します。どれだけのエネルギーが必要なのかは、体脂肪1kgをどれだけのエネルギーで消費できるかを目安にしましょう。体脂肪1kgを消費するには約7,200kcalが必要とされています。そのため、摂取したエネルギーよりも約7,200kcal消費することで、1kgの体脂肪を落とせます。
体重70kgの人が7200kcalを消費するためには、時速約6kmのウォーキングを合計約34時間も行わなければなりません。体脂肪1kgを落とすだけではかなりの運動が必要なことが分かります。
ステップ④食事と運動のバランスを取りながら習慣化していく
運動で体脂肪率を落とすには相応の運動量が必要です。そのため、食事のみを改善して体脂肪率を減らそうとする人もいるかもしれません。しかし、食事のみの改善は筋肉量低下による基礎代謝の低下、リバウンドなどのリスクがあります。また、過度な食事制限をすると健康への悪影響が懸念されます。同様に過度な運動によるエネルギー消費も、健康上のリスクの一つです。
脂肪を燃焼させるためには食事と運動のバランスを取りながら、コツコツ習慣化させていくことが大切です。
脂肪燃焼の仕組みを知って適切なダイエットにつなげよう
体脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があります。どちらも脂肪燃焼によってエネルギーとして活用することで、落とすことが可能です。脂肪燃焼は運動や食事、生活習慣改善で実現できます。ただし、どれか一つの方法だけで脂肪を落とそうとすると、体調に悪影響を与えるかもしれません。大切なのは、運動と食事、生活習慣の改善を、それぞれのバランスを取りながら実践し、習慣化させることです。
まずは自分の体脂肪率を算出して、目標とする体脂肪率の設定や目標達成に必要なエネルギー量を把握し、適切なダイエットを行いましょう。
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